自民党内は総裁選前倒しの声、解散は?連立は?村上誠一郎大臣は石破総理擁護「成果が認められつつある」【KSLチャンネル】

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 村上誠一郎総務大臣が26日の会見で、自民党総裁選の前倒しを求める声が上がっていることに対して、石破内閣の支持率が上昇傾向にあることを例に挙げ「徐々に総理の努力や結果が認められつつある」とコメントしました。

 内閣支持率の上昇に関しては複数の要因が考えられ、この辺りは後ほど解説するとして、まずは会見の様子をご覧ください。

総理の成果は認められた?


 大臣会見でペーパーまで用意して党の質問に答えるのは異例なんですが、村上大臣は総裁続投論者ですから、こういうコメントになるのはある意味で納得です。一方で、総裁選を行わないと言うことは内閣もこのまま続投で、見方によっては村上大臣がポストにしがみついているようにも見えます。

 支持率上昇の要因は村上大臣の指摘するように、一定の成果が認められたというのも多少はあるでしょう。アメリカとの関税交渉では、石破総理の盟友である赤沢大臣について野党がしきりに「失敗」を喧伝しましたが、その後の交渉や確認でアメリカ側が誤りを認めて修正するなど、それなりの成果があったことも事実です。
 しかしこれは総理の成果ではないことに加え、石破総理が何かを成し遂げたということでもないので、支持率上昇に与える影響は微々たるものでしょう。

石破続投を支持する人たち

 支持率上昇の要因として大きいのは、石破総理のままなら次期衆院選で政権交代も視野に入ったことで、野党支持者らが続投を求めていることが大きいでしょう。その一方で自民党支持層の調査では「辞任する必要はない」と答えた人が全体の調査よりも高い数字が出ているという事実もあります。これは本当に不思議なことで、最大規模の世論調査ともいえる選挙での結果は、明らかに石破政権にノーを突きつけています。

 党内では石破降ろしの動きが活発で総裁選を前倒しすべきという声が、続投を望む声を圧倒しています。そうなると次期総裁の有力候補として高市早苗という名前が浮上してくるわけですが、その人気の反面、リベラル層には反感を持つ人も多く、仕方なく石破総理続投を選択したもいるでしょう。
 実際に世論調査では「他に適当な人物や政党がない」という声が多かったようです。いま総裁交代となると国民の信を問う解散総選挙となる公算が大きいわけですが、高市早苗、小泉進次郎を担いでも現状では選挙に勝てないという慎重論もあるでしょう。

 また識者の間では石破総理に対する「同情」が拡がっているという分析もあるようですが、不記載問題を起こして党の信用を失墜させた面々が石破卸しの声を上げているのは「お前が言うな」と言う世論を形成し、選挙で大敗した原因は石破総理だけではないという同情論は当然のように出てくるでしょう。

 こういった理由で石破内閣の支持率が上昇してるならば、石破総理個人には同情するものの自民党への不信感は依然としてあるわけで、いざ選挙となれば自民党以外を選択する可能性が高いのではないでしょうか。
他の適当な人物がいないという調査結果も、選挙では自民党が選択肢から外れ他の政党に票が流れるということです。

解散時期と連立相手は?

 個人的には解散総選挙を行わないという前提でフルスペックの総裁選を行い、新たな総裁で党の立て直しをするのがいいと思います。
 すぐに解散総選挙を行って自民党が議席を回復したとしても、少なくとも参議院は2028年まで過半数割れで、国会にねじれが生じたままになります。そうなると国民民主党や維新との交渉が必要となってくるわけですが、国民民主党は所得税減税などを巡り石破総理を「約束を果たせない人」と厳しい評価をしていることから、新しい総理で交渉をする必要があります。少なくとも石破総理の下では連立を組もうという党はありません。無論、自民党側としも連立には慎重であるべきですが、少なくとも政策協議で一致できる野党がいなければ結果も出せないので党勢も回復しません。

 まずは新しい総理で来年の通常国会を乗り切り、衆院選のタイミングを慎重に検討すべきでしょう。いま自民党だけの都合で選挙をやって、野党にヘソを曲げられてしまうと、2028年まで延々と苦労することになります。ここはなんとか部分連合でも野党と連携できる新しい総理を選び、顔色を窺いながら国会を前にすすめ解散の適切なタイミングを見計るしかないでしょう。

 仮に自民党がベストな選択をしたとしても前途多難ではありますが、石破総理のままグダグダやってもいい事はないでしょう。左派政党が「石破総理のままがいいな」と寝言を言ってるならば、その逆を行かなければなりません。左派政党の言うことは無視して中道保守と連携すべきです。

 村上大臣はただお気持ちで「石破総理は頑張っている」と言ってるだけで、今後の国会のことなど考えていないのではないでしょうか?

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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