【解説】ロシアが参院選に介入か?参政党躍進の裏にロシア製ボットが暗躍?知らぬ間に操られる政権批判のインフルエンサー【KSLチャンネル】

ロシアが日本の選挙に介入しているという話が話題となっています。私が知る限りロシアによる対日ネット工作と思われる事象は3年以上前から確認されており、その仕組みを詳しく解説したいと思います。
問題となっているのは、山本一郎さんが15日にアップした記事で、日本の親露派SNSアカウントが流す石破政権批判や偽情報、印象操作の投稿や動画をロシア製ボットがトレンド入りさせ、百万再生単位でバズらせているという調査結果を公開しています。
参考:参政党を支えたのはロシア製ボットによる反政府プロパガンダ|山本一郎(やまもといちろう)
Xで政治系をウォッチしていると必ず流れてくるJAPAN NEWS NAVIというニュースサイトを装ったサイトが、ロシアのプロバガンダ媒体である「スプートニク」から記事を頻繁に引用し、これをロシア製ボットが初期ブーストをかける形で拡散して、有名なインフルエンサーアカウントもこのJAPAN NEWS NAVIの関連アカウントとして登録されていることから、大規模な工作の踏み台にされているということです。

関連アカウント一斉凍結
この関連アカウントたちは一様に関与を否定していましたが、16日未明に5つの主要アカウントが凍結されています。タイミング的に今回のロシア製ボットによるブースト工作が関係しているのかもしれませんが、理由については本人たちにも通知されていないようで、選挙中ということもあって事業者側が予防的な措置を取ったのかもしれません。
そもそも関連アカウントであっても、相互にリポストしたりする利用方法は規約違反で凍結対象です。また自民党に対する事実無根のデマや名誉棄損も目立っていたので、いつ凍結されてもおかしくなかったとも言えますが、一斉凍結ということは通常の通報ではないようです。
今回のロシアによるネット工作は、れいわ新選組のような親ロシア政党だけではなく、自民党政権を揺るがす勢いとなっている国民民主党や参政党の情報拡散にもこのボットが暗躍していたと言われています。
3年前に表面化した工作
ロシアによる対日ネット工作が最初に表面化したのは2022年1月です。
ウクライナとの国境にロシア軍が集結し軍事侵攻が危惧された際に、なぜか「ロシアの軍事侵攻はありえない」という記事が日本人執筆者によって日本の媒体に掲載され、それを政治系ブロガーが取り上げ拡散されました。結果的に1か月後にロシアはウクライナに軍事侵攻し、その政治系ブロガーは慌てて謝罪したわけですが記事は撤回されず残っています。
これまでロシアなど世界情勢に関して取り扱ってなかった政治系ブロガーが、どこからのタレコミでロシアに有利な記事を取り上げることになったかは容易に察することができるでしょう。
この政治系ブロガーは政治工作的な誹謗中傷記事を連発しており、過去には国会でも問題視され野党議員が当時の菅義偉官房長官に質問もしています。筆者の政治心情というよりも、目的を持って特定の政治家を貶める傾向にあったので、ここに匿名でタレコミを入れれば誹謗中傷ネタをホイホイと取り扱ってくれたので、世論工作にはとても利用しやすかったのでしょう。
この事例に限らず今回、山本一郎さんが取り上げたロシア製ボットの世論工作も、ほとんどのアカウントが自分ではロシアなど他国の工作に利用されている自覚がないものと思われます。
ただ親ロシア的な投稿をするとバズる、石破総理や岩屋大臣を誹謗中傷すればバズるという成功体験から、同様の内容を連発し金も集まってくるので自分が正しい主張をして、それが世間に認められていると錯覚しているわけです。バズらしているのも金を送っているのも、ロシアなどの工作だとは気が付いていないわけです。
まとめサイトも操られている
まとめサイトもこの仕組みで操られてる可能性が高く、ロシアに有利なスレッドを匿名掲示板に立て高速でレスを付けていくことで、レス速度の速い話題のスレッドとして自動的にピックアップされ、まとめも自動で生成されるようになっています。この自動生成に関しては、いま最も悪質と言われるサイトを詰めたときに運営担当者が白状しています。
ロシアがスレッドを立ててロシアが高速でレスをすれば、指示などしなくとも、まとめサイトがどんどん取り上げてロシアのための情報を日本で拡散してくれるわけです。
高額なバッジを利用する謎
まとめサイトやSNSが簡単に操られる仕組みがある一方で、今回のロシア製ボット問題に関しては、その中核となっているJAPAN NEWS NAVIがわざわざXのゴールドバッジを取得していることからして、これまでの構図とは違うような気もします。
Xのゴールドバッジは関連アカウントの設定ができるフルアクセスのプランで、月に13万5千円もかかり企業や団体しか取得できません。関連アカウントの登録も1アカウント月8000円で「himuro」「一華」など反政府的な匿名アカウントが7人も登録されていました。年間で200万円以上もの経費を支払える組織であり、本人たちも組織的活動である認識があるわけです。
おそらく匿名アカウントはJAPAN NEWS NAVIにスカウトされたものと思われますが、どういう条件でJAPAN NEWS NAVIと紐付けされることを承諾したのかは不明です。
メ ンバーは、金銭のやり取りは一切なく保守同士の同盟のバッジだと説明していますが、少なくとも「himuro」は左翼政党ご用達のアカウントです。また金銭のやり取りはなくとも認証のための月8000円は負担してもらっているので、ただ何となくで繋がっているわけではありません。
一方で、この人たちは何も知らされていない説が有力だと思うので、ロシアと直接繋がっているというのは、現段階では言わないほうがいいと思います。参政党がロシアと繋がっているというのも飛躍しすぎです。参政党が過剰なウクライナ支援に疑問を呈していることはロシアにとって都合がいいので、参政党に関する投稿にブーストをかけていただけかもしれません。
一華などは実際に参政党に加入していた時期もあるようだし、完全な匿名でもなく、工作員とかはさすがにないと思います。Xからの広告収益分配もそれなりにあるだろうし、特にロシアなど関係なく活動の動機はありそうです。
参政党候補がスプートニクに
どうしても解せないのが、参政党の公認候補者が党に無断でロシアのプロパガンダメディア「スプートニク」に出演していることです。自民党に復党した鈴木宗男さんや立憲民主党の原口一博さんも過去に出演して問題視されていましたが、参政党に関してはどこのメディアであっても党本部の許可が必要で、このルールはジャンボタニシ騒動で公認予定候補者が、勝手にインタビューに答えて大混乱したときからあるもので、いまさら無断で職員がゴーサインを出したというのも不可解です。
名誉棄損で対応可能か?
今回工作の踏み台と指摘されたこれらのアカウントの投稿の共通点は、自民党に対する攻撃的な投稿が多く、中には一線を越えて名誉棄損でやられそうな内容が散見されることです。石破総理への陰謀論的な中傷や、岩屋外務大臣が中国のスパイであるかのようなデマ投稿も継続的に行っており、ロシアだの工作員だの関係なく普通に現行法で民事と刑事の両面でやられてもおかしくありません。
また、Dappiであれだけ興奮していた野党議員らが、この問題に対してはやけに静かなのが気になるところです。小沢一郎さんなんて今回のバッジ取得アカウントを頻繁にリポストしていたわけだし、なにか一言あってもよさそうなんですが。自民党への攻撃だから見逃すというのは筋が通りません。
自民党はこの問題に対処する思いますが、まずは名誉棄損で開示請求するとこからでしょうか。陰謀を暴くとかいう大層なことではなく、まずは現行法で対処していき事態を把握することをおすすめします。










































