【石破退陣誤報】読売が検証記事でも悪質印象操作、実際にはない発言を付け加え?石破が悪い!で責任転嫁【KSLチャンネル】

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 号外で「石破首相退陣へ」と世紀の大誤報を飛ばした読売新聞が、3日に誤報に至る検証記事を掲載しました。結論は「石破氏が翻意の可能性」と、総理が嘘をついて騙されたという報道機関とは思えない他責思考を披露しています。
参考:首相「辞める」明言、読売「退陣」報道を検証…石破氏が翻意の可能性 : 読売新聞
 この検証記事には、新聞社としては絶対にやってはいけない文章の書き方もあり、明らかに誤報を総理のせいにしようとした形跡もあるので詳しく解説します。

 この誤報は7月23日の夕刊1面と号外、24日朝刊1面で報じているわけですが、仮に石破総理が前言を撤回して続投にシフトしたとしても、不確定の段階で号外まで配ったことは致命的な判断ミスです。

言い訳がましくモラルもない


 検証内容はダラダラと関係者の発言を連ねるだけで、なぜ他社が慎重に動向を見極める中で読売新聞が号外まで打ったのかは見えてきません。結果的に誤報となったからといって、我が身可愛さにオフレコの発言内容を詳細に掲載して、命に代えても守らなければならない情報提供者を、官邸から特定される危険にさらすなど、読売新聞政治部のモラルの無さも露呈しています。

 日本維新の会の池下卓衆議院議員が、秘書給与問題で特捜部に捜査されているという誤報をやらかした社会部は、記者の思い込みと裏どりを十分に行わなかったと全面的に非を認めていますが、政治部の見苦し言い訳は読売のブランドを大きく既存しています。
参考:マイナス情報を軽視、チェック機能働かず…東京地検捜査巡る誤報検証 : 読売新聞

実際にない発言を付け加え

 この検証の中で気になったのが、記事中の()丸括弧の使い方です。原則として「」鉤括弧は人物の発言として扱われ、意味や解釈が変わるような省略やアレンジを行ってはいけません。極力、その人物の発言ままを記述するのがルールであり、ここを都合よく書き換えると相手先からクレームが来ます。
その人物による発言が特に重要視される検証記事において、読売新聞は複数回に渡り「」のなかに補足を意味する()を入れ込んでいます。

 例えば「きっぱり(政権を)放り投げられない。そっちの方が本当は楽なんだ」という石破総理の発言に(政権を)と勝手に補足を入れています。総理が「放り投げられない」としたのが政権であった可能性は極めて高いとはいえ、この部分は裏どりができていない不確定要素だったはずです。それを誤報の言い訳をするために、総理が発言していない(政権を)という補足を付け加えているわけです。

 さらに総理が記者団に対して発言したとされる「交渉の結果を受けて、どのように(進退の)判断をするかということになる」という部分でも、総理の「判断をする」の前に(進退の)という補足を入れています。これこそ総理は辞任ではなく別の意味で「判断する」と発言していた可能性があるのに、ここでも勝手に(進退の)と言う補足を付けて、総理が辞任の意向を示したことにしているわけです。

 無論、その時に現場取材していた記者たちが「辞任待ったなし」と感じていたことは否定のしようがありませんが、辞任に向けた官邸の動きなどを注視することなく、関係者が漏らしたボヤキ程度の発言だけを根拠に、大々的に号外を撒いたのは報道機関にあるまじき行為です。

 せめて「石破首相、辞意を示唆」くらいに留めて、号外なんて配らなければよかったわけです。総理やその周辺が辞意ととれる発言をしていたからと言って「石破首相退陣へ」という号外を打っていいわけではありません。

 政権内部や情報筋とのパイプが読売新聞の強みであるのも事実ですが、それでも裏どりと見極めは記者として最後まで慎重であるべきでした。

 ナベツネさんがご存命なら斬り捨てられてたと思います。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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