溢れるアメリカ大統領選の不正情報、どこから流れてくるの?誰の意思で?調べてみると・・・【マガジン62号】
混迷を極めるアメリカ大統領選挙。開票が始まって間もなくトランプ氏が勝利宣言を示唆したかと思えば、バイデン氏が一気に優勢になるという不自然な動きには日本のSNSも騒然となり不正投票疑惑の話題で持ちきりだ。
様々な動画や現地ニュースが「不正の証拠」としてSNSに溢れているが、一部は全く関係のない写真などを組み合わせた捏造と判明している。一方で、郵便投票というガバガバなシステムを導入している以上は不正はやりたい放題との見方が強く、大きな陰謀でなくとも、民間レベルで不正を働く集団がいてもおかしくない。そういった意味で不正疑惑を「陰謀説」と切り捨てることもできない状況で、フェイクに釣られないために注意するポイントは押さえておいた方がいい。
不正があるなら、それはそれでファクトを残しておかなければなりませんので、幼稚なデマやフェイクニュースは排除しておく必要がある。たった一つのデマですべての情報が「フェイクニュース」にされてしまうのは悔しいがよくあること。
情報のバイアスに注意してみよう
まず、第一に注意した方がいいポイントは「バイデン陣営の不正」と断定された情報だ。供述調書などでバイデン陣営を名指ししている場合は別として、投票用紙の書き換え疑惑などはトランプ陣営かバイデン陣営有利か判別できないにもかかわらず、これらをバイデン陣営の不正と決めつけたものが多い。日本の選挙の結果を見てもわかるように、選挙違反は逆転された側が行っていたという事例も多く、急激に集計結果が伸びたバイデン氏側だけを疑うのは早計だ。そもそも集計中の票の動きは操作ができず、あっても印象操作程度。不正があったとすればもっと早い段階である。
我々が情報提供を受けて何かを調査するときにも、内容によってはバイアスの程度をチェックさせてもらうことがあります。今回のようなアメリカ大統領選挙のパターンで最も簡単なチェック方法として「なぜ、バイデン氏の不正だと思いましたか?」「投票用紙の書き換えはバイデンからトランプに変わったと思わないのですか?」と聞けばいい。ここで具体的にトランプ氏ではなくバイデン陣営による犯行である証拠や可能性を適示できない人は、溢れる情報の中で「バイデンが悪いに違いない」というバイアスが強くかかっています。
このチェックに対して「バイデン氏とは限らないかも」「どちらか分からないが不正があるのは事実」と自己でバイアスを修正できる人であれば情報の価値があるのですが、トランプ支持やバイデン支持のバイアスから抜け出せない人は情報の真実性よりも党派性を優先する人なので相手にしてはいけません。
実例紹介!その情報「中国」の意思では?
情けないことに自称保守系サイトが中国のプロパガンダ情報を鵜呑みにして取り上げたり、アメリカからの動画ではあるが、それを拡散したくて仕方ないアカウントを追うと中国からだったりする事例は多々あります。
最近筆者が気が付いた「中国」の影がコレ