有料会合は闇パーティー?野党第一党のデタラメ追及が少数野党を追い込む【マガジン229号】
自民党派閥の政治資金問題を受け野党が厳しい追求を続けている。収入を記載しないというシンプルな不正で、救いようのない自民党の体質は誰も擁護できないだろう。
一方で一部の野党議員、特に立憲民主党の議員らが「闇パーティー」という言葉を頻繁に使っているが、これはやめておいた方がいい。結果的に巨大与党に利することになる。
ここでいう「闇パーティー」とは、政治資金規正法にもとづく政治資金パーティーの告知や収支報告をしていない任意団体などが開催するパーティーや会合の収益が、結果的に政治家への寄付という形で還流されているのではないか?という疑惑である。
これを意図的にやっているとすれば脱法行為と言えるかもしれないが、例えば少数野党など支持母体の規模が小さく収入に乏しい場合は、会合などをすべて無料とすることは極めて困難で、支持者などに参加費を負担してもらうことは珍しいことではない。政治団体ではない有志数十人が発起人となり、政治家を囲んで講演会や車座形式の有料会合を企画することもある。これらを企画した発起人が結果的に当該政治家に寄付していることがあるのだが、これも闇パーティーとして禁止するというのだろうか。
野党が自分の首を絞めている
政治にお金はかからない!などと声高に叫び政治資金集めを批判する野党議員の大半が、日本最大の労働組合に支援されていたり、人口密度が高く移動経費もかからない大都市を選挙区としている。労働組合など支援組織が独自の活動として会合を企画運営して政治家はゲストとして向かうだけならお金はかからないかもしれないが、そういう組織の支援を受けていない政治家は自分たちで会場を借り、運営経費も自分持ちとなる。結果、自己資金がないので参加者から代金を徴収することになる。
政治にお金がかからないといってる連中は、支援組織に資金を出してもらっているだけで自分の腹を痛めていないだけだ。少数野党や新人にしてみれば、政治資金パーティーのような露骨な資金集めよりも、講演会や車座形式の有料会合で自身の政策を訴え寄付を求めることの方が適しているのだ。これを闇パーティーなどと言われたらたまったものではない。巨大与党と野党第一党という恵まれた環境を前提に法改正などされたら少数野党や新人は活動できなくなる。
任意団体や民間人が政治家を囲んで開催する有料会合が仮に、席数やプレート数を度外視して参加する意思のない者にまでチケットを無制限に売っているなら政治資金規正法を逃れた闇パーティーかもしれないが、定員上限のある会合であれば法的にも問題がないはずだ。
自民党を懲らしめることに執心して、活動のための政治資金まで「必要ない」とするのは政党助成金が多い党の現職だから言えることで、資金に乏しい少数政党やこれから政治に挑戦する新人が浮上する機会を奪うものだ。むしろこれを機に新人などが家族や自身の生活を犠牲にしなくても政治活動できるように、正しい政治資金の集め方を考え直すべきだろう。
先月、社民党の福島瑞穂党首にお会いして話す機会があったが、やはりこういう動きを危惧しており有料会合を闇パーティーと呼んで一律禁止されることに危機感を持っているようだった。