態度が悪い時事通信記者「大臣は反省してる?」なぜか城内大臣に戦争責任を上から追及してしまう【KSLチャンネル】

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 時事通信記者がお行儀の悪い質問をしています。

 15日の城内実経済安全保障担当大臣の会見で、同日の全国戦没者追悼式の式辞で石破総理が「反省」という言葉を述べたことに対する質問がテレビ朝日記者からあり、城内大臣は「総理ご自身の判断」として大臣の立場ではコメントを控えました。
 これに対して時事通信記者は「関連なんですが、大臣は反省なさってますか?」と意味不明な質問を不躾に行っています。

報道が戦争を煽った過去


 いくら関連質問とはいえ、大臣会見での質問作法としては最悪のものです。主語どころか主題すら不明な乱暴な質問で、単純に記者の態度が悪い。
例えば、先の大戦の戦争責任はどこにあったか具体的に質問するなら理解できますが「大臣は反省なさってますか?」という聞き方は、城内大臣個人に先の大戦の責任を追及しているようなものです。

 さらにこの記者の質問の醜悪な部分は、戦争に対する反省を大臣個人に向けるだけでなく、自分をその対象から外していることです。石破総理の「反省」はアジア諸国などに向けたものではなく、結果として多くの人命が失われたという事実に対して、政府を代表し反省を述べ不戦を誓ったものでしょう。これは天皇陛下からも同じ式典でお言葉がありました。

 当然ながら一般国民も関係ない話ではなく、あの惨禍を二度と繰り返さないために、自分たちがどうあるべきか、どう政治に向きあうかと過去の反省の元に考えるべきことです。それに対して軍備を増強すべきか、その反対かというのは思想や考え方の違いであって、右も左も戦争で人命が失われる未来を望んではいないでしょう。

 しかし時事通信の質問は、大臣個人に反省を問うにあたりメディアが戦争を煽り多くの民間人を巻き込んでいったという事実を完全に忘れています。無論、これはメディアだけに責任があるという意味ではなく、戦争責任の所在とは別に、結果として多くの人命が失われたことにはすべての人が向き合わねばなりません。
 立憲民主党の戦後談話のような、アジア諸国に対する反省についての議論とは別で、歴史を振り返り未来の子供たちを戦争に導くことのないように、現代を生きる自分たちがどうあるべきかと問うことも反省の一つでしょう。
 ただ権力者を批判し責任追及しておけばいいというメディアの姿勢は、かつて権力に媚び戦争を煽ったあの時と表裏一体であり、反省無きまま同じことを繰り返すようで恐ろしさを感じた次第です。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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