公明党の不意打ち連立離脱!高市早苗総裁の総理大臣指名に黄色信号?維新・国民との連立か、解散総選挙で逆転か【KSLチャンネル】

公明党が自民党に連立解消を通告しました。
これにより、これから何が起きるのか?離脱経緯と理由を含めて解説したいと思います。
10日の会談で公明党の斉藤代表から高市総裁に通告されたわけですが、両者の会見を見る限りでは、高市総裁は「一方的」という言葉を使い不意打ちであったことに納得していないようでした。
斉藤代表は1年以上前から石破総理にも企業団体献金の問題を打診してきたが、納得のいく回答が得られなかったと理由を説明しています。
高市総裁はこの会談では別の議題と聞いていたので、党内手続きを経ずに政策に関わることの決断を迫られても、総裁と幹事長が決めるのは自民党の文化ではないと、一旦は党に持ち帰らせて欲しいと回答を断ったということです。
これによりその場で連立解消を告げられるわけですが、高市総裁にしてみれば完全な不意打ち、または連立離脱ありきとしか受け取れなかったと思います。
高市以外でも離脱は変わらない
ネット上では保守色の強い高市総裁が選出されたことを理由に、公明党が連立を離脱するのではないかという憶測が飛び交っていましたが、これは斉藤代表が完全に否定しています。高市総裁からも確認したそうですが、だれが選出されていても対応は変わらないということです。
公明党としては参議院選挙での敗北に加え、地方の議員や支援者が自民党の政治とカネの問題で疲弊していることから、ここで一旦区切りをつけるしないという党の判断だったそうです。
他には政治とカネの問題で、政策担当秘書が罰金と公民権停止の略式命令が出た萩生田光一さんが、党内人事で幹事長代行に返り咲いたことが公明党の機嫌を損ねたという話もありましたが、今日の会談では言及が無かったようです。
この感じだと石破総理が続投していたとしても、参議院選挙の敗北を受けて連立離脱は不可避だったということでしょう。石破総理に課した課題が高市総裁でも改善の見込みがないというところでしょうが、公明党は昨年の衆院選で自民党が不記載問題で非公認とした候補に推薦を出すなど、公明党自らが支援者を疲弊させた責任もあるでしょう。
また高市総裁の保守色が周辺国を刺激することを気にしているならば、むしろ連立に残って影響力を行使したはずなんですが、連立離脱によって高市総裁が総理在任中に靖国神社に参拝する可能性も高まっています。
いろいろと解せない部分があって、自民党の問題というよりも公明党の党内問題が限界に達したという見方もできそうです。
公明党の選挙区進出は必至
公明党は連立離脱によって、自民党の政策になんでも反対する敵対政党になるわけではないと説明していますが、一方で閣外協力はしないということです。選挙においても自民党候補に推薦を出すことはないと断言しています。
選挙区の問題などはまだ何も決まっていないようですが、これまでの選挙区調整もなくなるので、小選挙区で自民党候補と公明党候補が戦うということになるでしょう。選挙の人員と集票で公明党の組織力に頼っていた自民党支部長は、人出不足と票割れに苦労することになるでしょう。
選挙の取材をしていると良く分かるのですが、公明党の圧倒的な組織力と指示系統、動員力は凄まじいものがあります。
2022年の参議院選挙で公明党の支援を受けなかった小野田紀美さんの圧勝で、公明党不要論を唱える人も少なくなかったわけですが、あれは小野田さんが強すぎたのと、対立した野党系無所属候補が弱すぎたという特殊事例です。
公明党の支援にどっぷりと浸かっていた並みの支部長は、早急に地盤を固めて支援組織を拡大しないと選挙で戦うことはできません。
公明党は参院選で有能な現職を落としてしまったので、今後は容赦なく衆議院に鞍替えしてくるかもしれません。佐々木さやかさんあたりを選挙区に立てられたら、自民党候補は苦戦どころでは済まないでしょう。
斉藤代表が地盤とする広島3区も激突必至です。元は自民党の選挙区でしたが、大規模買収事件で河井克行元法務大臣が逮捕され、自民党は後継に石橋林太郎さんを立てましたが、強引に公明党が斉藤さんを擁立した経緯があります。
次期衆院選では石橋さんが広島3区に立つという話もありましたが、連立解消により公明党が選挙区を予定通りに明け渡すとは思えません。斉藤代表と石橋さんがそれぞれ立候補して戦うことになりそうです。
他の選挙区でも比例ブロック単独だった人たちが、自民党に遠慮することなく小選挙区との重複立候補してくる可能性もあります。参議院でも公明党は1人区に新人を立て比例票の掘り起こしを図って来るでしょう。
一方で、これらの予測は公明党が与党として自民党と歩調を合わせていたことによる棲み分けが崩壊することを基本としていますが、連立離脱後の公明党が立憲民主党などと政策的に近くなることも予想され、票を食われるのが自民党以外の左派政党という可能性も否定できません。
連立は維新か国民か?
連立構想の見通しですが、まずは高市総裁が首班指名選挙で総理大臣に任命される算段を立てなければなりません。これは必ずしも連立につながる話ではなくても、政策協定により決選投票で「高市早苗」と書いてくれる政党との協議が急務でしょう。
公明党は1回目の投票で「斉藤鉄夫」で行くようですが、決選投票での投票先を明らかにしていません。連立離脱直後ということもあって、もう公明党票は当てにできませんので、国民民主党や維新を軸に調整する必要があります。
野党が画策する「玉木雄一郎」首班指名との争いとなりますが、首班指名で数だけ集めても安全保障や原発政策、憲法改正など国家の基本となる部分で一致しない連立政権は、維持どころか組閣もできない可能性があります。
これに対して自民党は国家観で一致できそうな国民民主党や維新との連立や閣外協力を意識しつつ、少数政党や無所属議員にも声をかけることで、なんとか政権は維持できそうです。それでも自民党が厳しい状況であることは間違いないわけですが、立憲民主党を中心とした野合よりは現実路線と言えるでしょう。
与野党の双方が首班指名の見通しが立たないというカオス状態ですが、維新の藤田共同代表が立憲主導の首班指名に難色を示しているので、間違いなく維新は自民党との連立に触手を伸ばすでしょう。国民民主党の玉木代表は「私には内閣総理大臣を務める覚悟がある」と立憲主導の首班指名を受ける気持ちはあるようですが、その条件として平和安全法制と原発政策の容認を立憲に求めているので、これを無理強いしたら連合が割れるだけなので非現実的かと思います。
いまのところ自民党と維新の連立に、国民民主党の閣外協力が最も可能性が高いような気もします。そこから政策ごとに他の野党とパーシャル連合をするなど、とにかく面倒な政権運営となりそうです。
ウルトラCとしては、首班指名を乗り切って連立協議後に解散を強行して、与党過半数を取り戻すという手もありますが、参政党に流れた保守票を戻しきることができるか微妙なところです。
最後に一つだけ苦言を呈しておきますが、公明党の連立離脱を大喜びしてる自称保守のみなさんは、これにより高市総裁が総理大臣に指名されない可能性が出てきたということを認識しましょう。
さすがにこのタイミングは高市総裁にとっては痛すぎたし、この難局を脱するために何ができるかを考えましょう。










































