チラ見せ市長の失職確定!メガソーラーの話はぜんぶ嘘でした!陰謀論者を騙す手口を徹底解説【KSLチャンネル】

伊東市の田久保市長がどれだけデタラメなことを言ってるか、ファクトを示して解説していきたいと思います。
学歴詐称疑惑が指摘されている静岡県伊東市の田久保真紀市長への2度目の不信任決議案が31日の市議会臨時会で、賛成多数により可決されました。これで田久保市長の失職は確定、市長選は12月7日告示、14日投開票となる可能性が高いようです。
参考:伊東市長失職の田久保真紀氏、涙で声を詰まらせる場面も…次期市長選は「自身と向き合って決めたい」 : 読売新聞
市議会解散による選挙では田久保派が1名当選しただけで、こうなることは誰の目から見ても明らかであったわけですが、ネット上では田久保市長を「メガソーラー推進を阻止する闘士」であるかのように称賛する人も少なからずいるようです。
ちょっと調べれば伊東市でメガソーラーは推進されておらず、田久保市長が学歴詐称疑惑から目を逸らすためにネットを煽っていることがわかります。
前市長と市議会はメガソーラー反対
まず田久保市長が過去に「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」の事務局長と務め、その後に代表となるなど計画中止運動を行っていたのは事実です。また、田久保市長の失職に伴う市長選への出馬の意向を示している前市長が在任中に、事業者に対して「控訴棄却の場合は速やかに河川占用を許可する」との不適切な確約書を取り交わして、伊東市政治倫理審査会で条例違反を指摘されているのも事実です。
ここまでは田久保市長の主張とは食い違っていませんが、問題はその後の流れです。
誤解なきよう説明しておきますが、ここでいう「控訴棄却の場合は速やかに河川占用を許可する」とは前市長が不許可としたことに対して、事業者が不許可の取り消しを求めて起こした裁判のことです。要するに前市長時代にはメガソーラーを阻止していたわけで、この裁判で伊東市が一旦は敗訴となっていて、その後に行った控訴が棄却されたら事業者側の主張に従わなければならないのは当然なんですが、これを個人的に確約書を交わしたことが問題視された事案です。繰り返しますが伊東市は前市長時代に不許可の立場で裁判で争っているということがポイントです。
資料:訴訟の概要(PDF)
市長選の争点は図書館建設だった
田久保市長が就任した2025年5月の時点で、メガソーラー計画は完全に停止されていて田久保市長も選挙ではメガソーラー問題ではなく図書館建設の反対を掲げ、これが選挙の争点にもなっています。しかし、これでは現状の学歴詐称疑惑から大逆転するインパクトが無いので、争点だった図書館計画ではなく停止しているメガソーラー計画に争点をすり替えているわけです。
伊東市のメガソーラー計画をめぐっては、田久保市長がデタラメな発言を繰り返したことで市の都市計画課などが対応に追われています。
27日には改めて現状を伝えるための「お知らせ」を公表しています。
伊豆高原メガソーラー計画について/伊東市
1.伊豆高原メガソーラー計画の現状
当該事業の実施につきましては、関係法令の許可が必要となりますが、事業者は開発に必要なすべての許可を取得している状況ではないため、現状、工事の進捗は見られません。また、近年、事業者からの連絡もございません。現在までの経緯については、こちらを参照(PDFファイル:435.3KB)してください。
2.太陽光発電設置によるメガソーラーに関する本市の方針
「伊東市美しい景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例」を平成30年6月1日に施行し、市内全域で自然破壊を伴う大規模な太陽光ソーラー発電開発は、多くの住民と共に反対の立場をとっているほか、伊豆高原メガソーラー計画につきましては、平成29年市議会6月定例会におきまして建設反対決議を全会一致で可決しております。
現在までの経緯を記したPDFを見れば、どれだけ伊東市と伊東市議会がメガソーラーに反対してきたかよく分かります。陰謀論を語りたがる人たちは田久保市長の主張を鵜呑みにして「宅地造成や林地開発を許可」「変更届の許可」等の処理について取り上げ「前市長は推進していた」とデマを流していますが、これらは市長の裁量権ではなく基準を満たしていれば許可しなければならないものです。メガソーラーの推進か反対かでは左右されません。
ちなみに宅地造成工事許可に関しては、熱海での大規模土石流災害を受けて法改正され、現在は都道府県知事に許可権限が統一されているので、伊東市の市長や市議が誰であろうと関係ありません。田久保市長はこういう法律を知っていてデマを流しているんです。
メガソーラー利用も市議選敗北
田久保市長は経歴詐称問題が発覚して以降の7月31日の会見で「伊豆高原メガソーラー問題も新図書館建設計画も水面下で激しく動いている」と発言していますが、これも8月8日になって発言を訂正しています。撤回ではなく訂正というところが、この市長のどうしようもないところなんですが、結局はこれまでメガソーラー反対運動をしてきた人たちから見ても、まるで阻止できていないかのような印象を与え、結果を否定されたようにしか聞こえなかったわけです。
参考:市民のみなさまへ/伊東市
市長が辞職を拒否して解散を強行した市議会議員選挙でも、出馬した前職で落選した人はひとりもいません。田久保派の姿勢を明確にした一人に票を集中しても4%程度の得票率で、いかに支持されていないかということが分かります。
メガソーラーに反対し市として裁判まで戦ってきた前市長に陰謀論を吹っ掛け、建設反対決議を全会一致で可決した市議会はその姿勢を堅持しているのに、田久保市長はそのメガソーラー反対派や慎重派を一度全員クビにする解散を強行し、無駄な選挙費用を発生させたわけです。
学歴詐称は公選法に抵触しない?
そもそも学歴詐称疑惑も、選挙公報などで虚偽事項を公表したものではなく、公職選挙法には抵触しないとの見方が強く、市政への信頼と倫理の問題が
問われ説明を求められたに過ぎません。
これを偽造疑惑のある卒業証書をチラ見せるという奇行でワイドショーの餌食となり、市議会の尋問に対しては「報道であるようなチラ見せといった事実はありませんで、約19.2秒ほど見ていただいたという風に記憶しております」と意味不明な説明を故意に繰り返し市議会を挑発するなど、とにかく市長が「謝りたくない」というちっぽけなプライドのために市が大混乱しているわけです。
ちなみに田久保市長の「19.2秒」も、流出した音声をもとに記者が検証済で、10秒にも満たないチラ見せだったことが判明しています。議長側も録音していたのに、こういう嘘を平気でついてしまう人間なんです。
挙句の果てには、市長に就任した者が、最終学歴の学歴証明書や職歴の証明書などを就任から21日以内に市に提出する新たな要領を制定したと思ったら、高校の卒業証明書を提出するという人をなめ切った対応。だったら最初から大学の卒業証書ではなく高卒だったと謝罪して高校の卒業証明書を提出すればよかったんです。
アベ政治をゆるさない!と同じ構図
ここまで市民の感情をあざ笑うような対応をして、今さら謝ってどうなるものでもありませんが、少なくともこういう人間を持ち上げるのは止めましょう。
昨今は、不祥事や問題が指摘された政治家が「〇〇に反対して消された」という陰謀論で復活するという現象がありますが、田久保市長に関してのメガソーラー云々は事実ではなく、反対派の市議会を解散して一旦クビしたというのが現実です。
その時々の政治情勢で所属先とスタンスがフラフラと変化する某都議も、2022年に突如としてメガソーラーや太陽光発電批判を始め、一気に保守の姫のような扱いになっています。それ以外の投稿があまりにも酷いので最近は飽きられ気味ですが、こういうやり方って、かつての前川喜平に代表される「アベ政治を許さない」と宣言すれば、どんな不祥事であっても左翼のアイドルになれたことと同じなんです。
本当にメガソーラーに反対したいなら、ありもしないメガソーラー問題をでっち上げ、メガソーラーに反対する市議会を解散した田久保市長を応援する気にはならないはずなんですが?
まあ、こんな私の叫びも、陰謀論者にとっては悪の手先が正義の田久保市長を攻撃しているようにしか見えないんでしょう。










































