原口一博議員「ゴーン氏はコストカッターではなく日本的経営の伝統を更に磨き上げた経営者」←総務大臣時代に派遣村を訪問したことはもう忘れた?
国民民主党の原口一博衆院議員は10日、レバノンに逃亡したカルロス・ゴーン被告について「新自由主義のコストカッターではなく日本的経営の伝統を更に磨き上げた経営者」とツイッターに投稿した。ゴーン被告の日産再建の陰に4万人のリストラがあることを軽視した投稿ともとれ、その認識に疑念を抱くコメントも寄せられている。
「明確な戦略を社内で共有できた後は、日本での仕事は喜びだった。日本人は仕事を進めるにあたって、全ての物事を最高のレベルで進めることを知っている。そしてリーダーシップに敬意を払う。」ゴーン氏は、新自由主義のコストカッターではなく日本的経営の伝統を更に磨き上げた経営者でした。 https://t.co/4Fug0syq0P
— 原口 一博 (@kharaguchi) January 10, 2020
総務大臣時代に派遣村を訪問
原口氏が引用しているのは、国民民主党佐賀県連副代表の犬塚直史元参院議員のブログ記事だ。
恩を仇で返す日本 https://t.co/jhJYSXzcV1
— 犬塚直史 Tadashi Inuzuka (@TadashiInuzuka) January 9, 2020
記事はゴーン被告の経営手腕を高く評価する内容であるが、日産再建の経緯と手法の説明は以下の文章で終わっている。
その後もカルロス・ゴーンは17年間に渡って経営の全ての指標で成長を続け、2008年の金融危機からもいち早く回復し、日産・ルノー・三菱を、世界最大の自動車産業グループに手が届くところまで牽引し続けたのである。
出典:恩を仇で返す日本 – Tadashi Inuzuka – Medium
2008年のリーマンショック以降がバッサリとカットされているのだ。一説にはこの2008年リーマンショックを契機にゴーンの暴走が始まったともいわれている。このころ派遣切りが社会問題となっており、2008年の年末から2009年年初にかけて「年越し派遣村」が民間団体により日比谷公園に開設された。日産はこの直後(2009年2月)に全世界で2万5千人の人員削減を発表し、日本国内のグループ会社からは非正規従業員8千人が雇止めとなっている。
2009年の年末から2010年の年初にかけては、日本政府(民主党政権)による緊急対策の一環として東京都が国立オリンピック記念青少年総合センターに「公設派遣村」を開設、原口氏は総務大臣として就業相談の現場を訪問している。
『年越し派遣村』の経験を生かし政府・自治体などが協力して就業相談などにあたっています。総務大臣として訪問し、激励しました。自治体の皆様らに感謝の気持ちと労いを申し上げました。
— 原口 一博 (@kharaguchi) January 1, 2010
ゴーン氏は日産で合計4万人以上のリストラを行っている。こういった経緯をすべて無視して「新自由主義のコストカッターではなく日本的経営の伝統を更に磨き上げた経営者」と絶賛してしまう原口氏の認識は正しいと言えるだろうか?
最近の原口氏はとにかく政府批判ネタに飢えているようで、今回はゴーン氏が「日本政府が陰謀に関与している」と仄めかしたことで、反安倍のヒーローとして持ち上げようとしているのだろう。原口氏は民主党政権時に総務大臣として訪問した公設派遣村で何を見てきたのか。そこにはコストカットでリストラされ仕事も住むところも失った人たちがいたはずだ。
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