【大相撲】立行司・式守伊之助の進退伺問題 本当に反省すべきは審判部である【マガジン101号】

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 大相撲夏場所は大関・照ノ富士が優勝決定戦で大関・貴景勝を破り2場所連続、通算4度目の優勝を果たした。来場所で優勝かそれにに準ずる成績を残せば横綱昇進が確実となる。

 照ノ富士の圧倒的な強さが目立った場所であったが、11日目には妙義龍のマゲを掴んだとして物言いが付き協議の結果反則負け、14日目には遠藤と土俵際で投げの打ち合いとなり完全に体を裏返し土俵外に投げたと思われたが、これも物言いが付き協議の結果、照ノ富士の肘が先についていたとして行事軍配差し違えで遠藤の勝ちとなった。

 11日目に続き14日目の大事な取り組みでも行事軍配差し違えとされた立行司の式守伊之助は、14日目の打ち出し後に八角理事長(元横綱北勝海)に口頭で進退伺を申し出たという。理事長からは激励されたようだが、過去には進退伺を申し出て引退した立行司もいる。

説明しない審判部が軍配を覆す

 現在は木村庄之助が空位となっており、式守伊之助の責任は重く同一場所で短期間に立行司が差し違えと判定されたことは、本人だけでなく日本相撲協会にとっても重大なことである。

 一方で、軍配差し違えとされた二つの取り組みについては、式守伊之助の判断が正しく勝負審判の協議結果が間違っているという説もあり、筆者も勝負審判の協議結果と説明不足を問題視している。

 大相撲ではNHKの中継動画で検証するテスト段階を含めると50年以上前から写真判定(ビデオ判定)を導入しているが、審判長からビデオ室への質問が勝負判定を大きく左右している可能性が高い。それにも関わらず審判長がビデオ室に何を確認して何を判断基準にしたかを明らかにしないことが多いく、この件について長島昭久衆院議員も疑問を呈しており筆者も全く同感だ。

 この問題は先代の阿武松親方(元関脇・益荒雄)が審判部長であった2018年・2019年に顕著に見られ、極度の口下手で力士の名前を間違えたり西と東を間違えるなど見ていられなかった。行事軍配などの経緯説明も曖昧で、なにも判明しないまま行事軍配が覆ることが散見された。

 審判部では副部長の藤島親方(元大関・武双山)が審判長の際には丁寧で正確な説明をしているが、審判部長の伊勢ヶ濱(元横綱・旭富士)の説明はお世辞にも上手とは言えない。照ノ富士の問題の二番でも説明は不十分だった。余談ではあるが、藤島親方は説明だけでなく、立ち合いの手付きや呼吸、礼などの所作についても厳しく、その場で力士に注意する場面が見られる。

NHK動画では照ノ富士が勝っている

 前置きが長くなったが、照ノ富士が負けとされた問題の二番については、審判長とビデオ室の判断ミスであった可能性が高い。NHKが公開している動画が分かりやすいので、再確認するとどちらも照ノ富士が勝っている。