日航123便墜落に自衛隊関与説、調査しない中谷防衛大臣に佐藤正久がイライラ・・・陰謀説の元ネタはあの映画か?【KSLチャンネル】
4月10日の外交防衛員会で、日航123便墜落事故が自衛隊による撃墜で隠ぺいまでされているという陰謀説について、自衛隊員の名誉を守るためにも適切な対応をするよう防衛大臣に求めた自民党の佐藤正久参議院議員が、1週間たった17日の同委員会で防衛省の対応状況を確認しています。
前回の質疑をまだ見ていない方は、まずは前回質疑を。
【日航123便墜落事故】自衛隊が撃墜、現場焼き払い?陰謀説本が学校図書館の推薦図書に、佐藤正久「大臣は隊員の名誉守れ」
また、陰謀論の元になっているであろう映画などの関連情報は質疑動画の後に説明をします。
陰謀説の元ネタはあの映画?
分かりやすく言うと「確認したけどなにもしていない」ということです。
先日も「JAL123事故原因究明シンポジウム」のロジを担当した佐藤正久議員からすれば、当時の救難、捜索にあたった隊員の方々に申し訳ない気持ちもあって熱くなったのだと思います。
中谷大臣は陰謀論者の執拗さと悪質さを甘く見ているんじゃないでしょうか。
確認するだけでなく、なぜそのような陰謀説が生まれたのかまで考察し、ひとつずつ潰していく必要があります。例えば、有名な都市伝説系ユーチューバーも取り上げて話題となった群馬県上野村の小中学校の文集の内容が、子供ゆえの時系列矛盾と記憶の曖昧さだけでなく、陰謀論者に勝手に装飾された内容が1979年に制作されたアメリカの航空パニック映画『エアポート’80』に酷似していることなど検証して否定していくことも必要でしょう。
この映画は1982年の春休みにテレビ朝日で吹き替え版で放送され、その後も再放送がされています。その内容がいかにも子供の印象に残り、陰謀論に利用できそうなものなのです。
旅客機であるコンコルドをミサイルで撃墜しようとしてF-15戦闘機が阻止、その後はファントム戦闘機がコンコルドを撃墜しようとする。コンコルドはミサイルを躱そうとした際に油圧系統を損傷し決死の緊急着陸を試みるという内容です。無茶苦茶な映画なのでこのコンコルドは翌日には飛び立つわけですが、アルプス上空で貨物室のドアが吹き飛んで気圧低下を起こし乗客は大パニック、雪原に不時着して救助されるという内容です。
子供の文集をネタに書いてもいないことを付け加えている陰謀論者の話す内容が、もうこの映画そのものなんですよ。むしろ自衛隊と米軍の陰謀論を語る人たちの全体的な内容が、この手の映画をもとにしているものと思われます。
他にも本好きの間では有名なKADOKAWAの書籍紹介雑誌「ダ・ヴィンチ」に、陰謀論者のバイブルとなっている2017年に出版された青山透子氏の書籍の書評が掲載され、これがなんら確認をすることもなく著者の陰謀説を鵜呑みにして絶賛するものでした。
さらにこの数年後に先述の有名な都市伝説系ユーチューバーがこの書籍をもとにしたと思われる動画をアップし話題となった半年後に、なぜか「ダ・ヴィンチ」のウェブ版に当該書評が再掲されたわけです。関連情報を検索するとこれが上位に表示されてしまい、陰謀論者以外にも真実性のあるものとして認知されていった可能性もあります。
防 衛省は陰謀説だと軽く見ないで、徹底的な対抗措置を取るための調査と検証を行うべきです。