【ブーメラン？】高市総理が深夜の勉強会、立憲議員が追及も「原因は立憲」と批判殺到→真相は？【KSLチャンネル】
高市総理が深夜3時に勉強会を行ったという時事通信の記事が話題となっています。
これを受けて7日の予算委員会で、立憲民主党の黒岩宇洋議員が高市総理に苦言を呈す質問を行いました。これに対する高市総理の答弁から、立憲民主党の質問通告が深夜に及んだことが原因ではいか？というネット上の声がありますが、そのあたりの真相を解説していきたいと思います。
まずは質疑の様子をご覧ください。
立憲は速やかに提出、国会日程に難あり
質問通告に対する答弁書が最終的に高市総理の手元に届いたのが、深夜だったということです。予算委員会当日は朝8時から経済安全保障推進会議もあって、この時間から答弁書のチェックが行われたのは仕方のないことです。
また高市総理は大臣時代から官僚を呼んでレクを受けるということをしていないので、自身でチェックと手直しを行うことに秘書官や一部の職員が付き合う結果となりましたが、時事通信の「勉強会」という見出しには悪意しか感じません。
一方で、この日の予算委員会のバッター表では、野党の質疑者が立憲民主党のみだったので、質問通告を深夜2時まで遅らせていたのは、追及している立憲民主党だったという批判が巻き起こっていますが、これは事実ではありません。
質問通告は2日前の正午までに行うことが申し合わせ事項であるというのが一般的ですが、少なくとも前日の夕方までには提出しなければ官僚が徹夜することになるといわれています。
これに関して木原官房長官は7日の会見で、この予算委員会の開催が決定したのが2日前にあたる5日の正午前であったと説明しています。開催の決定がなされ質疑予定者に通知された時点で、質問通告の一般的な期限を過ぎていたわけです。さらに、すべての質疑者から前日の正午ころまでに、予算委員会の質問通告が提出されていたことも明かしています。
立憲民主党の質疑者も予算委員会開催決定から、速やかに質問通告を提出しているわけです。その通告が議院事務局から内閣官房を経由して、内閣府の担当部署から各省庁に関連質問が送られます。そこから省庁の官僚が答弁を用意し、必要に応じて質疑をする議員にレクや問い合わせを行って答弁書を作成するわけです。
一部の与党議員らが、立憲民主党の提出は前日の夕方以降だったと主張しているようですが、これは質疑者の提出時間と内閣府から振り分けられた省庁で答弁書作成が開始された時間を混同しているのかもしれません。
これが結果的に深夜に及ぶことが問題視されているわけですが、今回のケースで言えば立憲民主党の質疑者は最速で質問通告しているので、悪いのは前日まで代表質問を行って翌日には全閣僚出席の予算委員会を開催するという無茶な国会日程です。代表質問の内容も確認せず予算委員会初日の質問を書くわけにも行かず、仮に2日前に開催が決定していたとしても日程上は無理があったわけです。
無論、立憲民主党になんら問題が無いわけではなく、官僚を対象としたアンケートで質問通告が遅いのは立憲民主党が突出しているという結果が出ています。これは質問の質疑者数が多いほど官僚の対応時間も増えて、大きな政党に不利なアンケートという指摘もありますが、その質疑時間と数を比較しても立憲民主党の提出の遅さは突出していたわけです。そういう意味では、少数会派なのに立憲民主党と同程度の数字を叩き出す、共産党が最も悪質とも言えるんですが。
出典：【コロナ禍における中央省庁の残業代支払い実態調査】 全額支払い指示後もなお3割が残業代を正しく支払われていないことが判明 残業代を最も正確に支払っていないのは｢財務省｣｢厚生労働省｣｜働き方改革ならワーク・ライフバランス
近年はかなり改善されてるようですが、質問通告を公表したり通告時間をSNSで公表しようという各党の動きに、立憲民主党と共産党が協力的でないというのもあるでしょう。
また、政府与党は共通認識のもとに質問を行うので、特に官僚が迷うこともなさそうですが、政府と対峙する視点で質問する野党の通告に対して答弁書作成に手間取るのは当然です。
立憲民主党の質問通告が粗く、官僚が質問取りに向かわなければならないという指摘もあるようですが、もう少し余裕のある国会日程ならば、詳細な質問通告を行う時間も取れるわけです。
結論としては、
・高市総理はレクを受けていない
・答弁書を受け取ったのが深夜3時
・立憲民主党は前日正午までに質問通告していた
・国会日程と開催決定時期を見直す必要がある
これが事実ですので、時事通信の悪意ある見出しに踊らされたり、誤った認識による議論は時間の無駄です。