【終わりの始まり】朝日新聞が月ぎめ4400円に値上げ、営業不振を価格に転嫁する愚かさ【マガジン105号】

KSLマガジン



 朝日新聞社が10日、7月1日から朝夕刊セットの月ぎめ購読料を現在の4037円から4400円に値上げすることを発表した。営業不振を価格に転嫁するという最悪の選択をしたわけだが、朝日新聞の言い訳が実に見苦しいので以下に紹介しておく。

<お知らせ>読者のみなさまへ 購読料改定のお願い 来月から月ぎめ4400円に 朝日新聞社:朝日新聞デジタル
(前略)
 購読料を据え置きつつ、良質な紙面を変わらずお届けできるよう、新聞製作の合理化、人件費や経費の節減を進めてきました。しかし、インターネットの普及で新聞事業を取り巻く環境が厳しさを増し、販売・広告収入が減る一方、製作コストは高くなっています。深刻な人手不足などで戸別配達を維持することも難しくなってきました。

 新聞業界全体が同じような状況で、全国の多くの新聞社が購読料をすでに見直しています。当社も長年の経営努力が限界に達し、ご負担をお願いせざるを得ないと判断しました。

 ネット上にフェイクニュースが飛び交う今、新聞の役割は増していると考えています。事実を正確に報じるという報道機関の使命を肝に銘じ、新聞を広げるのを楽しみにお待ちいただけるよう、内容とサービスを一層充実させてまいります。ご理解をお願いいたします。

 新聞の特色を理解していない

 コスト増を価格転嫁することは仕方ないとして、自社の営業不振が改善されないまま値上げをすることは悪手である。約1割の値上げに対して購読者が1割減にならなければ成功と思っているのかもしれないが、これ以降の新規購読者獲得をするなかでインターネットメディアに太刀打ちすることは極めて困難となる。

 インターネット業界にも月ぎめなどで継続課金するサブスクリプションが浸透してきているが、月額4400円というサブスクに登録しようという若者がいるだろうか。朝日新聞にしてみれば、戸別に配達するコストがネックになっているのだろうが、手元のデバイスに瞬時に情報が届くインターネットユーザーにしてみれば、そんな事情は知ったことではない。

 朝日新聞が「なぜ新聞が必要か」ということについて、「ネット上にフェイクニュースが飛び交う今、新聞の役割は増している」などと説明しているのは勘違いの自惚れに過ぎない。異常に高い購読料を払ってでも新聞を購読する人の"理由"は全く別のところにある。