【動画あり】櫻井よしこ氏が韓国MBS「不当取引 国情院と日本の右翼」に抗議、これに日本のマスコミが沈黙する理由【マガジン118号】

KSLマガジン

 ジャーナリストの桜井よしこ氏が11日、韓国MBSで放送された「不当取引 国情院と日本の右翼」について名誉棄損であるとして抗議の声明をホームページに掲載した。MBSの番組内では櫻井氏が理事長を務める国家基本問題研究所(国基研)が韓国の国家情報院から情報提供や金銭支援を受けていたとされていた。
参考:韓国MBCテレビによる名誉毀損行為に抗議する « ニュース « 公益財団法人 国家基本問題研究所

 この情報を報じたMBS「PD手帳」は日本でいうTBS報道特集のような番組で放送回数が1500回近くになる長寿番組だ。筆者が放送内容を確認してみたところ、調査報道と呼べるような内容ではなく、番組の質と流れが「UFO特番」のような感じで、いつ矢追純一氏が出てくるのかと思うレベルだった。

 放送前には日本の一部マスコミ関係者が櫻井よしこ氏の名前を挙げて嬉々としていたが、放送後は特に何の騒ぎにもなっていない。まともな報道関係者が見れば「これだけ?」と思うほど情報が薄く、証拠と言えるものは何も提示されず、ただ元工作官の想像による発言を垂れ流すだけだった。
前半 後半

続報が無ければガセネタで終わりそう

 話の流れとしては、竹島問題で日本の保守から批判を受ける大韓民国独島郷友会会長のチェ・ジェイク氏が日本を訪れた際に、その行く先々で日本の保守団体に取り囲まれたことを論拠として、その日程とルートが国情院から公安に流れ、公安から保守団体に流れたというものだ。まあ、ここまではあってもおかしくない内容で、それはそうかもね?といったところ。

 だが問題はここからで、唐突に「国情院は日本の右翼団体を韓国に招いてもてなした」という話が元工作官から飛び出すのだが、元工作官は接待をした右翼団体が櫻井よしこ氏の団体とは明言していない。次の質問で「国情院が日本の右翼団体を支援したのか?」と問われたのに対して「私たちが支援した団体は櫻井よしこ氏を中心に結集していた」と元工作官が発言する。ここから一気に櫻井よしこ氏が日本の右翼のドンであるかのような飛躍したストーリー展開になり、先述の接待された団体も櫻井氏であったかのような流れになっている。

 また西岡力氏が国基研の首脳であるかのように扱われているが、西岡氏は国基研の企画委員であるが企画委員は17名もおり、研究員や評議員としても名を連ねているが評議員は20名以上もいる。日本で西岡氏は北朝鮮による拉致問題の活動を行う「救う会」のイメージしかないのだが、拉致問題を韓国から見た対北朝鮮工作にすり替えているのだろう。

 櫻井氏が安倍元総理の守護神で、櫻井氏のインタビューで安倍元総理がのし上がったかのような内容も、日本に住んでいればデタラメだとわかる。また大韓航空機爆破事件の金賢姫と横田夫妻、西岡氏らが面会した際の映像などが使われていたが、映像を見る限りは民主党政権下(鳩山政権)でのことで、安倍政権や右翼団体は関係なく国同士のやりとりに国情院の協力があったとすればそれは当然のことだろう。当時の国家公安委員長がテロリストであった金賢姫をヘリに乗せて、東京上空を観光させているのに、なぜここで西岡氏の名前が出てくるのか。

 なんだかんだと櫻井氏と西岡氏を極右と結び付ける無理筋の内容であったが、その証拠を公開すると見せかけて次の瞬間には別のシーンで別の話題が始まるという、まさに「UFO特番」のような内容だ。結局、金銭の流れを調査する日本国内の取材が始まると、国基研の中では客員研究員でしかない元駐日韓国大使館公使の洪熒(ホン・ヒョン)氏を電話で直撃してあっさり否定されるという、何のために日本まで行ったのかわからないお粗末さ。あとは勝手にテレビ局の敷地に入って番組終わりの櫻井氏を出待ちして、不審がられて無視されるマヌケなシーンを望遠レンズで隠し撮りしただけ。

 どうしてこれが櫻井氏や西岡氏が金銭支援を受けていたという話になったのか不思議でならない。無論、MBS側にも主張があり、続報を打ってくるかもしれないが、現段階では特に騒ぎ立てるような証拠もなく放送前の騒ぎからすればドッチラケといった感じだ。

日本のマスコミが報じない理由

 放送前に比べて騒ぎになっていないのは、放送内容が「UFO特番」みたいだったことが最大の理由だろうが、これを日本のマスコミが全く取り上げない理由は他にもある。

※マガジン購読者はログインすれば続きが読めます。単品購入よりマガジン登録をお勧めします。

皆様の支援が必要です KSL-Live!からのお願い

【ご支援をお願いします】取材・調査・検証記事はコピペまとめサイトのような広告収入は期待できません。皆様からの支援が必要です。各種支援方法詳細

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

OFUSEで支援する

このサイトをフォローしよう