激戦の参議院東京選挙区!山本太郎、乙武洋匡の出馬に最もビビッているのは〇〇党の〇〇〇〇さんです【マガジン172号】
今夏の参院選東京選挙区(定数6)は作家でタレントの乙武洋匡氏(無所属)と、れいわ新選組代表の山本太郎氏が出馬表明したことで大乱戦の様相を呈している。
これまでに出馬が予定されていた中では、圧倒的な知名度でトップ当選を重ねる蓮舫氏(立憲)、支持基盤の基礎票だけで当選ラインの竹谷としこ氏(公明)、自民党は現職の朝日健太郎氏と新人の生稲晃子氏で1議席は堅い。ここに山添拓氏(共産)が食い込み上位4議席が安定し、残り2議席を自民党2名のうちの1、松尾明弘氏(立憲)、海老沢由紀氏(維新)、荒木千陽氏(都ファ、国民推薦)が激しく争うという構図はどこの情勢調査を見ても同じだった。
ここに乙武洋匡氏と山本太郎氏が出馬表明したことで、蓮舫氏と竹谷としこ氏以外は混戦の中で埋没する可能性がでてきている。自民党ですら票の割れ方次第ではどちらかが最悪の結果となるかもしれない。
山本、乙武氏も安泰ではない
これまで予想された顔ぶれが危機感を増す一方で、圧倒的な集票力でれいわ新選組を国政政党に引き上げた山本太郎氏と、テレビ出演などで知名度の高い乙武洋匡氏ですら当選確実とは言い難い。山本太郎氏は衆議院議員辞職からこれまで神奈川や兵庫など様々な選挙区を模索してきたようだが、個別の選挙区だけの票では地盤を持つ他党の候補には及ばないという判断で、過去に出馬した経験もあり街宣での反応も良かった東京"しか"選択肢はなかったようだ。
乙武洋匡氏も知名度こそ高いが、前々回参院選で自民党からの出馬がスキャンダルにより取りやめになった過去がある。以前のような人格者としての評価よりも、自虐もでき攻めのコメントが評価されるようになったことで未知数である。無所属ということで選挙戦の制約もあり、自民党から出馬が計画されたときのような目玉とは言い難い。
危機感強める各党陣営
乙武洋匡氏に続いて山本太郎氏が出馬表明したことで、上位予想4強を追う形となっている立憲民主党の松尾明弘氏は危機感を露にし、支持拡大のための街頭活動を活発化させている。また、共産党の山添拓氏は4強の一角と目されていたが、すべてが振出しに戻るような大乱戦の様相に、共産党得意のツイッターハッシュタグで議席確保を訴えている。ジャーナリストの田崎史郎氏が「共産には固い支持基盤があり、盤石だ」と予想したことに、共産党の宮本徹衆院議員が「デマ」と反論するなど過敏になっている。
昨日、私が警告したとおり、早くもデマが流され始めています。分析しているふりをして、直近の選挙での日本共産党の得票を出さず、躍進期の得票をあえて出す。
— 宮本徹 (@miyamototooru) May 21, 2022
〈田崎史郎氏が参院選東京選挙区を占う…自公立共で4議席 山本太郎氏が当選圏内 〉#Yahooニュースhttps://t.co/yF62ZQ8zPJ
選挙のセオリーとして優勢を伝えられると支持者内での投票率が下がり不利になると言われている。常に接戦でやや劣勢を伝えることで支持者を鼓舞し必ず投票に行くよう訴えるのはどこの陣営も同じ。そういった意味で田崎氏の「盤石」という言葉に反応しているようだが、共産党が他の政党とは食い合わない強い基礎票を持っているというのは事実だろう。ただし、非改選で同党の吉良よし子氏と比べると、もとから票を取りづらい傾向にあるので、有名人候補の出馬は警戒せざるを得ないのだろう。
これは私見であるが、乙武洋匡氏の出馬で最も票を食われそうなのが自民党の朝日健太郎氏ではないだろうか。2016年のスキャンダル出馬辞退で差し替えられたのが朝日健太郎氏で、満を持して出馬する乙武氏に支持層の一部が移ってしまうのではないか。
乱戦の中で埋没するのは"あのひと"
もう、これから投票箱が開くまで何が起きるか分からない東京選挙区。各党が警戒を強める中で、知名度のある候補の乱立に最も焦っているのが"あの人"だろう。