立憲・国民・参政党は政策実現する気なし?国会“たった5日”に賛成した理由→これが普通だから【KSLチャンネル】

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 参院選後の臨時国会が1日から5日までで閉会されたことについて、これに合意した立憲民主も国民民主も参政党も政策を実現する気が無いというデマが流れています。

 この会期に反対した、れいわ新選組と日本保守党界隈が主にこれをネタに与野党を叩いているわけですが、そもそも参院選後の臨時国会は2日から8日間で閉幕するのが慣例であって、秋の臨時国会と混同している人が多いようです。
 この時期に国会が召集されるのは、参院選があった年だけで、半数改選により変わった議会構成をもとに正副議長、委員長の選挙、特別委員会の設置を行うためのものであって数日間で閉幕するのは当たり前です。

本格論戦は1月常会と秋の国会


 ここ数十年の会期を見ても1998年に2か月以上の会期となったのを除けば、基本的に儀式のみで2日か3日で閉幕、長くても8日間となっています。


 実際に法案審議が行われるのは10月以降の秋の臨時国会です。立憲民主党や国民民主党の主要野党が、この秋の臨時国会に向けて委員長ポストなどの調整をして会期に合意したのは自然な流れでもあるわけです。むしろここで駄々をこねて秋の臨時国会に向けた調整を行わなかった、れいわ新選組と日本保守党は国会の仕組みと流れを理解していないか、分かっててパフォーマンスをしてるものと思われます。

 国会は基本的に年明けに召集される通常国会が150日間で、次は10月以降の秋の臨時国会を12月初旬から年末あたりまで行うようになっています。今回のような参院選後の臨時国会召集以外では、衆院選や自民党総裁選後に首班指名で総理を決める特別国会や臨時会、解散総選挙のための臨時会が短期間開かれるだけです。

 今回の臨時会は参院選後の儀式ですから、与野党で合意するのは自然なことであることは先ほど説明しましたが、一方で2024年10月に自民党総裁選後の首班指名のために召集された臨時国会が8日間とされたことには立民、維新、共産、国民の野党4党をはじめ反対されています。これは石破さんが首班指名を受ける前に解散時期をポロリしてしまったことに反発したもので、実際に総理就任から8日後の会期末で解散しています。
 総裁選後の臨時国会とはいえ、総選挙を挟むと秋の臨時国会の会期が短くなるため、野党は能登の豪雨対策や政治とカネの問題を継続して審議するべきとの主張を展開しました。

与野党の利害は一致している

 今回は自民党が石破総理では衆院選を戦えないということで、多くの所属議員が総裁選の前倒しを求めています。これは石破内閣の退陣ではなく、総裁任期を前倒しして現職総裁を含めてフルスペックの総裁選をやろうという考えです。
 一方で野党としては石破総理のままなら、次期衆院選で政権交代も視野に入って来るので、ここで国会を長引かせて追及するよりも、さっさと閉めて延命しておきたいという思惑もあるでしょう。秋の臨時国会でも、これまでのように退陣を求める追及国会ではなく、与党に根回しをして野党の政策を実現する方向性だと思います。そうやって実績を作っておけば、いずれ石破卸しが完遂され別の総理で解散総選挙をしても十分に戦えるというのが主要野党の思惑でしょう。
 これは与党にとっても利害が一致するものです。今の状態で内閣不信任案を提出されて、石破総理に玉砕覚悟の逆ギレ解散でもされたら政権転落もありえます。

 まあ、アレコレと説明はしてみましたが、要するに参院選後の臨時国会は週末を跨がなければ2日で閉会と言うのも普通のことで、この儀式が終わった後に秋の臨時国会が召集され法案審議が行われるという基本に沿ったものです。

 立憲民主党も国民民主党も参政党も維新も、秋の臨時国会でどれだけ自分たちの政策が実現できるか考えてやる気満々なわけです。参院選後の儀式的な召集で暴れるメリットなんてないわけです。れいわ新選組と日本保守党の皆さん、理解できましたか?

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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