１日で１５万人が投票！マスコミによる京アニ放火殺人犠牲者の実名公表申し入れ「反対」が９５％、遺族の思い優先する声が多数

2019年8月22日マスコミ・報道

　京都アニメーション放火殺人事件で、発生から一カ月経過しても犠牲者35人のうち25名が遺族の了承が得られないなどの理由で実名公表されていないことについて20日、京都府内の報道12社でつくる在洛新聞放送編集責任者会議が京都府警に速やかな公表を求める申し入れ書を提出した。
　遺族と関係者の意思に反して公表を求めるマスコミの申し入れに対し、当サイト（KSL-Live!）が21日に実施したアンケートでは９５％が「反対」と答えている。アンケートはツイッターで21日深夜から24時間限定で行われ、約15万人が投票に参加しインプレッションは100万件を超えた。

緊急アンケート

京都アニメーションの放火殺人事件で、京都府内の報道12社でつくる在洛新聞放送編集責任者会議が遺族や関係者の声を無視して犠牲になった35人のうち25人の身元を公表しろと警察に求めています。

貴方は公表に賛成ですか？反対ですか？

— KSL-Live!（竹本てつじ） (@ksl_live) August 20, 2019

遺族感情踏みにじるマスコミ

　通常、事件事故の犠牲者は各自治体警察の判断で実名公表されている。しかし、2016年に障害者施設・津久井やまゆり園で発生した殺傷事件では犠牲者と遺族のプライバシーを懸念する声もあり非公表となっている。
　今回の事件でも同様に、京都アニメーション側が性急な実名公表に反対し遺族の多くも公表を望んでいない。背景にはマスコミによる過熱取材がある。親戚縁者や友人を待ち伏せしたり、付近の葬儀会社に片っ端から電話をかけ犠牲者の葬儀日程を聞き出そうとする迷惑行為などが多発しているのだ。

　マスコミ各社は実名公表の申し入れの理由を「事件の全容を知るため」としているが、犯人と直接の接点がない犠牲者の実名を公表することに何の意味があるのか？事件の全容ではなく、マスコミが作り上げる悲劇と美談のストーリーに利用されるだけだ。
　結局はマスコミお得意の「今どんな気持ち」という下衆な直撃インタビューをしたいだけだろう。昨今話題の煽り運転暴行事件でも、逮捕された同乗者の卒業アルバムを公開して容姿イジリをやるようなワイドショーなどは特に警戒が必要だ。

知る権利はどこまで優先されるか

　マスコミを擁護する意見の中で、公表と非公表の判断する権利が警察に一任されていることを懸念する声もある。恣意的に非公表とされた被害者の中に、一部の権力者や警察関係者が隠したい人物がいるかもしれないからだ。
　しかし、今回の事件での犠牲者は京都アニメーションの従業員と関係者であることは疑う余地がなく、実名を公表したところで警察などの権力監視にもならない。そもそも実名公表を求める意図が権力監視であるかも疑わしい。また、多くの行方不明者を出す大規模自然災害とは違い、すでに関係者には遺族を通じ事実は伝えられており、マスコミを通じて知る程度の知人に関しては遺族の判断に委ねられるべきだ。

　アニメファンの一部では、好きだったアニメの制作に関わった人を追悼する意味で実名を公表してほしいという意見もあったが、それは遺族の意思に反してまで行うことなのかと考えれば控えるべきだろう。これではまるで、家族葬に押しかけたり勝手に自宅を訪問し線香をあげに行くようなものだ。
　抑制のきかない「知る権利」は暴力に等しい。

アンケートの「偏り」は不公平か？

　アンケートへのコメントでは「反対に誘導している」「煽動的なマスコミ批判」という声もあったが、これは的外れな批判である。なぜなら、遺族の意思に反して早急な公表を求めるマスコミの行動が問われた案件であり、この求めに応じて公表するべきかどうかが投票の意義である。マスコミが遺族の意思に反しているという事実を伏せて行うアンケートこそ不公平・不公正なものだろう。
　京都アニメーション側も、犠牲者の実名を未来永劫伏せろとは言っていない。非公表の要望には加熱するマスコミの取材を抑制する意図が強く、多くの遺族が実名公表の影響に耐えられる状況にないからだ。それにもかかわらず「早急な公表」を求めるマスコミへの批判がどれほどのものか知るために必要なアンケートであり、これをマスコミ各社に突き付けてほしいという意見も多くいただいている。

マスコミ関係者へ

　すでに多くの方からマスコミの公式アカウントに結果のメンションが送られているはずです。たった1日で15万人が参加し、そのうち14万人以上がマスコミの「申し入れ」と「公表」に反対している。某社の女性記者は自身を「国民の代表」と言い放ったが、これほどマスコミの意思と乖離した結果を見てどう思いましたか？
　本記事執筆段階で、マスコミからの問い合わせは一件もない。いつもなら「××テレビ取材班の〇〇です。」とリプライで群がるスタッフの方々も完全にスルー。マスコミ批判が含まれるからと言う理由で無視しているなら、二度と「警察が恣意的に非公表にした」「政権が隠蔽している」などと宣うのはやめた方がいいでしょう。

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