東京新聞・望月記者「補助金不交付で全国の自治体から不安の声」→自治体とはどこだったのか?情報源は?

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東京新聞・望月記者「補助金不交付で全国の自治体から不安の声」→自治体とはどこだったのか?情報源は?

 1日午前の官房長官記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が「(あいちトリエンナーレ)補助金不交付で全国の自治体から不安の声が上がっっている」という趣旨の質問を行い、菅官房長官が「全国の自治体とはどういう自治体でしょうか?」と聞き返したことが話題となっている。

 これを受けてネットでは「どれだけ取材したのか?」「全国すべて聞いたのか?」と総ツッコミ。これまで同記者は、他社や週刊誌の情報を基に質問することが多く、その取材能力を疑問視され疑われても仕方のない部分がある。
 ただし、今回は全くのデタラメではなく望月記者が所属する中日新聞社による取材があったようだ。

中日新聞による取材と記事掲載

 望月記者の質問の根拠となったのは、中日新聞の9月30日付朝刊に掲載された以下の記事だ。ほぼ同じような内容で同日の東京新聞夕刊にも掲載されている。

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題で、国が愛知県に補助金を交付しないと決定したことが、芸術祭を開いて地域を盛り上げる各地の自治体にも波紋を広げている。自治体の担当者らは「自主性が損なわれることになる」と懸念し、愛知県と国の対立の行方を注視。専門家は「国の決定は他の自治体を萎縮させる」と指摘する。

 「企画展以外のあいちトリエンナーレは現在も開催されているのに、補助金の減額でなく全額不交付とした理由が分からない。補助金決定の基準はわれわれにも影響してくるので、動向を見ていきたい」

 今年、あいちトリエンナーレと同じ補助金を受けたある自治体の担当者は、こう話した。国は、県が補助金を申請する際、運営面の重大な懸念を報告していなかったことを問題視した。だが、担当者は「募集要項にそうした報告が必要という記述はなかったはずだ」と首をかしげる。

 この担当者は、どこまで報告が必要か基準がなく、一つ一つの出来事について文化庁の判断を仰ぐことになれば、国の考えを忖度(そんたく)した芸術祭になりかねないと主張。「自治体の萎縮を招き、裁量が狭められてしまう」と危惧している。

 香川、岡山両県で開催中の瀬戸内国際芸術祭の担当者は「愛知県も運営上は当然、交付金を当てにしていると思う。見込んでいたものが急きょ、もらえないとなると、影響は大きいだろう」とおもんばかった。別の西日本の芸術祭担当者は「国のことにコメントするのは差し控えたい」と、慎重に言葉を選びながら「国の決定は衝撃的だった。一度内定しているものが交付されなかったんだから」と驚きを隠さなかった。
出典:補助金不交付、自治体に広がる懸念 :中日新聞

 一応、こういった取材の事実がある以上は望月記者を批判する側に事実確認の落ち度があったと言わざるを得ない。この取材記事を示したうえでの批判なら理解できるが、全くのデタラメであったかのような批判は正確性を欠くものだ。

質問の仕方は正しかったのか?

 一方で望月記者の質問方法に問題はなかったのか?
 筆者はたまたま中日新聞の記事を見ていたから理解できたが、あの記事の内容を事前に把握していない菅官房長官に唐突に「全国の自治体に不安の声が」とぶつけるのは乱暴すぎる。何を根拠にしているかも不明な状態では、政府の意思決定や見解などを伝える官房長官会見では答えようがないだろう。そもそもあの場面で質問する内容ではなく文科大臣の会見で聞くことである。

 また、望月記者の質問の仕方では全国の自治体すべてに聞き取りをしたかのように聞こえるが、中日新聞の取材記事からすると聞き取りを行ったのは芸術祭などで補助金を直近で受けた自治体やこれから受ける自治体にかぎられていたようだ。それならば「これから補助金を受ける自治体が不安がっている」という表現にとどめるべきだろう。

 事実確認をせず決めつけで叩き記事を拡散するネットメディアの落ち度も恥ずかしいレベルであるが、調べてみたら結局不正確であったという毎度の望月記者にも問題があると言わざるを得ない。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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