桜を見る会追及 下関市議の証言に矛盾「領収書を誰も見ていない」→複数枚存在を確認「入り口に男性」→女性でした
19日の野党合同「桜を見る会」追及本部ヒアリングに、安倍総理の地元・下関の田辺よし子市議が参加し「領収書を見た人は、下関には誰もいません。」と証言、山井和則衆院議員も「領収書を出してない」という趣旨で違法性を指摘したことが報じられている。
参考:今年の前夜祭「ニューオータニ領収書、見た人は下関に誰もいない」 野党ヒアリング詳報 – 毎日新聞
しかし、当サイトの取材では下関の参加者が保管していた2019年の領収書を複数枚確認しており、毎日新聞は2015年、朝日新聞は2018年の領収書を確認し写真付きで報じている。
他にも田辺市議が聞き取り調査で得たという証言は、当サイトの調査で得た現場の様子と異なっており、常識的に考えてもあり得ないものと判明している。特に入り口での会費支払いの場面は、誰の証言とも一致しない不自然なものであった。
領収書は朝日新聞と毎日新聞も掲載
田辺市議の「領収書を見た人は、下関には誰もいません。」とういのは、ただ単に田辺市議には誰も見せてくれなかったということだ。本記事の後半で説明するが、田辺市議は以前から安倍批判をしており、積極的に協力する関係者は少ないだろう。
山井氏や出席議員まで領収書の存在を否定する証言に同調しているが、毎日新聞が2019年11月15日の朝刊に2015年の領収書を掲載、当サイトが18日に2019年分を掲載、朝日新聞が19日に2018年分を掲載している。都合の悪い証拠は採用しない主義なのだろうか?
(各社記事内に領収書画像あり)
参考:収支報告なぜ違う 「桜を見る会」前夜祭→不記載 首相後援会の朝食会→記載 – 毎日新聞
参考:桜を見る会前夜祭2019年の領収書 参加者「入り口で5000円払い、ホテルからの領収書と引き換え」
参考:首相3回説明、募る疑問 夕食会「領収書発行せず」「経費明細書なし」 桜を見る会:朝日新聞デジタル
ちなみに桜を見る会が問題となった当初は、地元関係者はテレビカメラの前で領収書を見せて放送もされているが、なぜかマスコミの間では無かったことになっている。
※12/21追記 テレビ東京も出席者から領収書について聞いている
入り口と受付を勘違いしている
田辺市議はヒアリング後に地元団体の証言として「入り口に男性が立っていたが、ツアー料金に含まれていると思い、会費を支払わなかった」と記者団に発言しているが、当サイトの取材では受付をしていたのは「女性」であり、男性スタッフは来場者の対応などで動き回っていたという。これは「受付」と「入り口」を勘違いしているようで、複数人での参加者は代表者が「受付テーブル」で会費を支払っているので受付の様子を詳しく知らないのだろう。
だが、これは会費と領収書について詳しく聞き取りすればわかることで、恣意的な聞き取りと結論ありきの調査と報告だと言わざるを得ない。常識的に考えても会費制の夕食会で男性が立っているだけなどということはありえず、証言を鵜呑みにするのはありえない。
会費を支払ったという証言と矛盾
田辺市議の証言で最も支離滅裂なのは以下の内容だ。同じ文脈の中に「支払い」と「フリーパス」が混在しているのに、その矛盾に気が付いていない。
田辺市議 たとえばライオンズクラブでは、誰かが安倍事務所に「何人行きます」と返事して、その方がとりまとめんだと思います。実際に行った人が払ったのは、ツアー料金6万8000円と、前夜祭に行った時に入り口に誰か分かりませんが、お金を回収する人がいて5000円を渡したという。もちろんニューオータニと書かれた領収書はもらっていない。ただ、お金を渡しっぱなしで領収書はもらっていないと。女性団体の方は、全く前夜祭もフリーパスで、お金も払わないけれど、3人で入って行ったと。お金を取っているとか、取っていないとか、誰がどこで決めたのか分かりません。
出典:今年の前夜祭「ニューオータニ領収書、見た人は下関に誰もいない」 野党ヒアリング詳報 – 毎日新聞
ライオンズクラブは代表者が取りまとめて会費を集めているという証言を得ながら、女性団体の「前夜祭もフリーパス」という証言を鵜呑みにしている。どちらかが誤った認識で証言をしているのだが、田辺市議は他の証言も含め全体的に「フリーパス」という野党が望みそうな証言を強調している。
関係者に確認すると、そもそも前夜祭は別途5000円を会場で支払うよう案内書に記載があり、受付は混雑し列ができていたのに「フリーパス」と勘違いするような状況でもなかったという。
田辺市議はバリバリの反安倍
田辺市議が下関で自民党関係者と縁が深いと勘違いしている人も多いようだが、その原因は以下のハーバービジネスオンラインの記事からだろう。
「地元下関では安倍首相と林元大臣がライバル関係にありますが、両者の代理戦争のような下関市長選で汗をかき、首相直系(元秘書の)前田市長誕生に貢献した安倍派市議へのご褒美、論考褒章のように見えます。林派の中尾氏を応援した私には、『桜を見る会』の案内は来なかったのです」(田辺氏)
出典:「桜を見る会」の招待状は安倍首相の「選挙協力へのお礼」に使われていた!? | ハーバー・ビジネス・オンライン
まるで自民党の林芳正参院議員のシンパのような口ぶりで「林派の私には案内は来なかった」と証言しているが、地方の市長選で態度表明して自主的に応援しただけだろう。
田辺市議は昔から安倍総理を批判している。2013年に事実上の自民党と民主党の一騎打ちとなった参院山口補選では当然のように民主党推薦候補を応援し、自民候補が安倍総理と癒着している疑惑があったと主張している。
参考:安倍首相のお膝元での参院山口補選――自民、民主が事実上の一騎打ち | 週刊金曜日オンライン
この週刊金曜日の記事は前述のハーバービジネスオンラインと同じジャーナリストの横田一氏がインタビューしたものだ。ようするに田辺市議は根っからの反安倍で、政権に批判的なジャーナリストとのつながりもあるということだ。
また、2012年に北九州で震災瓦礫の焼却が始まった際にも、あの悪名高き朝日新聞の「プロメテウスの罠」を出典に使いながら「山口県にも被害がある」と主張しているのも興味深い。
参考:9/24(月)下関市議会 田辺よし子議員の質疑 – 原発・放射能関連
あの時、北九州の震災瓦礫受け入れに反対して大暴れしていたのが誰なのか?あえてここでは書かないが、どういった考えの持ち主かは想像に容易い。
さらに田辺市議は2017年の衆院選で「自称・安倍のライバル」として黒川敦彦氏(山口4区)の選挙を、山本太郎とそのブレーンと言われる斎藤まさし氏と共に支援した人物でもある。黒川陣営は林芳正派が寝返ったと主張して接戦をアピールしたが、結果は安倍総理に15倍の差を付けられ供託金没収の大惨敗であった。冒頭の写真がその時のものだ。
参考:暮らしのノートITO : 安倍晋三104,825票、黒川敦彦6687票の得票の意味
こういった人物であることから、ほとんどの人が聞き取りに応じなかったり領収書を見せるなどの協力をしなかったもの思われる。詳しくは割愛するが、地元関係者に聞いても「田辺さんには答えないでしょう」とのことで、偏った証言しか得られないのは明白だ。
まとめ 信ぴょう性に大きな疑義
田辺市議の証言と野党追及本部の見解で、完全に矛盾している点は以下、
➀下関で領収書を誰も見ていない
当サイトが公開した2019年分の他に、毎日新聞と朝日新聞が掲載している。(すべて下関から)
➁受付と入り口の区別がついていない
混雑した受付の記憶がないのに、入り口の記憶があるという大矛盾。しかも男性ではなく女性。
➂支払いの証言を得ながらフリーパスを採用
田辺市議に証言した人物らの支払い実績を完全に無視している。
この矛盾点に加え、田辺市議が地元で「反安倍」として知られており、少なくとも地元後援会の証言は得られない。また、これは余談として付け加えておくが、私が関係者に聞いた話では地元で取材した大手の新聞記者に「受付で支払って領収書もある」と答えたが、メモすら取らず聞き流されたという。実際に朝日新聞は領収書の写真を持っていたが、それを隠していた。そして、当サイトが領収書の存在を確認し公開を予告したら朝日新聞は慌てて同じフォーマットの領収書を掲載したのだ。
メディアの取材に答えても、正しく報道されることはなく悪人のように扱われた不信感から地元関係者は口を閉ざしているのだ。それを田辺市議は「かん口令が敷かれた」などと根拠なく吹聴し、マスコミはそれを垂れ流している。
マスコミには誰も答えずネットメディアにだけ情報が流れる理由はこれだ。リスク覚悟でありのままを証言した取材源を裏切り、恣意的な報道を繰り返すオールドメディアの敗北と捉えよ。
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