川崎市ヘイト禁止条例で拉致問題ポスターが撤去された?→横田夫妻支援団体と市担当者「台風の影響で張替え作業中」

政治・社会

川崎市ヘイト禁止条例で拉致問題啓発ポスターが撤去された?→フェイクニュース!市担当者「台風の影響で張替え中」

 川崎市が所有・運営する川崎競輪場の北門横に掲出されていた“拉致問題啓発ポスター"が撤去されていることに関し「川崎市のヘイト条例成立後直ぐに撤去された」との情報がSNSで拡散されている。

当サイトで情報の真偽について川崎市に確認したところ、市の担当者は「台風で汚損したため張替え作業中」とのことで、川崎市のヘイトスピーチ禁止条例で撤去されたという事実は無いとのことだ。

川崎市は拉致問題解決に積極的

 川崎市の市民文化局人権・男女共同参画室の担当者によると、昨年9月10月の台風でポスターが汚損、修復が困難と判断し、新しいポスターに張替えようと昨年末に汚損ポスターを剥がしたとのことだ。先行してポスターを撤去した理由は風雨によりポスターが部分的に剥がれ散乱し始めたからだという。

 担当者は、このポスターの掲出期間については「横田めぐみさんが返ってくるまで」とし、拉致問題が早急に解決しポスターが撤去できる日を待ち望んでいるという。長期の期限を設けることは拉致問題解決を望む被害者家族の思いに反してしまうからだ。

 このポスターを制作して掲出場所を募集している「あさがおの会」は横田夫妻と同じマンションの川崎市の住民有志が夫妻の活動を支援するために設立した団体だ。川崎市ではこの「あさがおの会」に積極的に協力しており、写真展を頻繁に開催し拉致問題啓発舞台劇「めぐみへの誓い―奪還―」も11月に開催している。川崎市の拉致問題への取り組みは全国的にみても精力的と言えるだろう。

 今回、張替えが行われる川崎競輪場北門横の場所は「仮囲い」であるため、この場所が使用できなくなれば他に代替の掲出場所を探すなど発展的撤去はあり得るという。当サイトの取材に応じた担当者は、次の掲出場所や効果的な掲出場所を模索する一方で、一日も早く拉致問題が解決し「ポスターの必要がなくなることが望ましい」と複雑な心境を語った。

1/7追記「あさがおの会」様より

 支援団体「あさがおの会」様から詳しい経緯について丁寧なお返事をいただきました。川崎市の説明と重複する部分もありますが、その内容をまとめて掲載させていただきます。

・ポスター損傷と撤去の経緯
 昨年2回に渡って日本列島を襲った猛烈な台風が原因で、最初の台風(15号9月初旬)で接着面から水が入り、屋外でも4年程度は耐えられると言われた素材が剥がれ、写真面にも痛みが生じる。それが2回目の台風(19号10月中旬)で損傷が拡大し、このまま展示しておくのは好ましくないという判断に至り、新しいポスター完成前に撤去を決めた。
 強力な接着剤を用いていたため、剥離すること自体が困難で作業計画は難航し時間を要した。そのため12月中旬の撤去完了となった。

・新素材ポスターの調達と設置予定
 今回のポスター損壊を受け新しい素材でポスターを作製した。完成したものを川崎市の作業部署に届けることができたので、今月20日前後には展示作業が終わる予定。(天候により変更あり)
 この展示も「横田めぐみさんの帰国まで」と川崎市へ申請し承認されている。展示場所が「仮囲い」のため、展示継続が困難となった場合は新しい展示場所を探すことになるが、それまでに横田めぐみさんの帰国が実現するよう引き続き政府に訴えていく。

 ヘイトスピーチ禁止条例との関連性を疑われることに「本意でなく事実ではない」とのことだ。

憎悪を煽るより解決へ向け協力しよう

 川崎市ヘイト禁止条例への反発や憶測で、今回のような誤った情報が拡散されたことは残念なことだ。安易に信じてしまった人は当該ツイートを削除したうえで「あさがおの会」が引き続きポスターの掲出場所や写真展の開催団体を募集しているので、そちらを拡散することに協力していただきたい。
あさがおの会ホームページ
映画「めぐみへの誓い」製作委員会

※バズフィードジャパンが明らかに本記事と当サイトのツイッターアカウントが批判者とやり取りした内容を参考にしていますが、当サイトから情報提供した事実はありません

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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