フェイクニュース「武漢から日本への入国に成功した中国人」→武漢ではなく広東省在住、アノニマスポストが創作

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フェイクニュース「武漢から日本への入国に成功した中国人」→武漢ではなく広東省在住、アノニマスポストが創作

 新型コロナウイルスに関する悪質なフェイクニュースをアノニマスポストが拡散している。
 中国・湖北省武漢から日本への入国に成功した人物が、ネットで湖北省からの入国方法をレクチャーしているという内容で、投稿されたウェイボ(微博)のスクショも貼られている。

 タイトルでは「武漢から日本への入国に成功した中国人」とされているが、本人のウェイボにも翻訳解説しているツイッターアカウントにも「武漢から」とは書かれていない。確かに投稿自体は不謹慎で中国国内でも「日本の善意を利用している」とバッシングが起きているようだが「武漢から日本への入国に成功」という部分はアノニマスポストが創作しており事実ではない。また、湖北省以外でパスポートを取得するようレクチャーしているというのもアノニマスポストがでっち上げたフェイクである。
 武漢が2週間前から封鎖状態にあることを考えると、こんなライトな旅行が可能であるはずもない。

本人が投稿削除→弁明

 このニュースは他のまとめサイトでも取り上げられているが、武漢出身という意味で「武漢人」と表記しているだけで「武漢から」とは書いていない。(注:以下リンクのタイトルも若干悪意を感じる)
参考:最近日本に入国した武漢人、「日本入国の攻略」を中国のWeiboで発表 「湖北以外で申請した旅券を使い、滞在歴の質問に「いいえ」と書けば入国できた」 : ツイッター速報

 翻訳の解説からしても武漢からの入国とは読み取れない。
https://twitter.com/Wl9uZ/status/1226009008269484032

 問題の人物は湖北省武漢出身であるが広東省深セン市在住のためパスポートを広東省で申請して取得している。批判を受けてすべての投稿を削除して本人が弁明しているが、やはり武漢にはしばらく帰っておらず発熱も咳もないという。ただ、14日間以内に武漢に滞在したかという設問に「いいえ」と答えるように勧めたことは反省しているようだ。
 これを皇居周辺から投稿していることがムカつきますが、以下が自動翻訳した本人投稿である。

フェイクニュース「武漢から日本への入国に成功した中国人」→武漢ではなく広東省在住、アノニマスポストが創作

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 無論、彼の投稿は許されるものではない。今回の新型肺炎ウイルスを巡っては日本も少なからず影響を受けマスクも不足しているが、中国への物資支援をしたことは中国国内でも高く評価されている。それにもかかわらず日本への入国に際して武漢滞在歴を隠すように勧めたのは大きな過ちだ。

 一方で、日本側が中国からの渡航について性善説に基づいていることへの批判も多い。投稿を行った人物が住む広東省も症例が千件を超えているようで、中国全土からの入国を制限しなければ日本での感染拡大は防げないだろう。そういった日本人の感情に付け込んで多くのシェアを獲得し収益につなげるアノニマスポストに、多くの人が釣られてしまったのは残念なことだ。

 熊本地震で「ライオンが逃げた」と投稿した男が逮捕されているが、今回のアノニマスポストの投稿も「武漢から日本への入国に成功」と不安を煽り関係省庁などの業務を妨害したとすれば同じようなものだ。保守を名乗るアカウントがこの国を混乱させて金を稼ぐフェイクニュースサイトを好んで利用している現状は実に嘆かわしい。

追記:誤解があるようですが、件の中国人を擁護するものではありません。武漢人という言葉を使いながら不適切な入国方法を投稿している以上は然るべき所へ出頭し騒動を収めるべきです。また深セン市在住を主張していますが、同地は感染症例が1000件を超える危険地域であることを考えると、中国全土からの入国を規制するのが妥当と考えます。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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