室井佑月の週刊朝日連載「世耕弘成・参院幹事長がデマまで流す始末だ」→デマは室井氏の記事でした

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室井佑月が週刊朝日でフェイクニュース「世耕弘成・参院幹事長がデマまで流す始末だ」→デマは室井氏の記事でした

 作家の室井佑月氏が週刊朝日の連載記事で、新型コロナウイルスと国会運営について「自民党の世耕弘成・参院幹事長などは、デマまで流す始末だ。」と名指しで批判している。

 自民党の世耕弘成・参院幹事長などは、デマまで流す始末だ。世耕氏は国会での野党質問についてツイッターで、「(略)始まって40分経過しましたが、(略)新型コロナウイルス感染症について質問をしない感覚に驚いています」と発信した。

 え? コロナについては早々に、衆議院厚生労働委員会の理事会を開いてほしいと、野党側から与党側に申し込んでいたんだけど。
出典:室井佑月「コロナに助けられる人」〈週刊朝日〉

 室井氏の記事こそ最初から最後までデマである。実際に予算委員会で野党のトップバッターはコロナウイルスに触れていないし、理事会の要請についても国会の基本的な仕組みツイッターの一般アカウントが騒いでいるだけで、事実誤認と判明している。

国会の基本的仕組みを理解していない

 まず世耕氏の実際のツイートが以下である。黒太字の部分は室井氏が略している部分だが、重要な部分をカットしており恣意的で悪質だ。(赤字が掲載された部分)

今、参議院内の幹事長室で予算委員会を見ています。野党の質問が始まって40分経過しましたが、先刻武漢からの飛行機が到着し、目の前に総理や厚労大臣等、新型コロナウイルス感染症に対応している責任者が列席している。
このシチュエーションで感染症について質問をしない感覚に驚いています。
出典:世耕弘成 Hiroshige SEKOさんのツイート

 武漢からのチャーター便が到着した20分後に参議院予算委員会が始まっているが、トップバッターの蓮舫議員が新型コロナウイルスに一言も触れず桜を見る会の追及に終始したのは事実。その部分を隠す印象操作は悪質だ。こんな乱暴な省略があるか。

 また、室井氏が世耕氏のツイートをデマとする根拠「コロナについては早々に、衆議院厚生労働委員会の理事会を開いてほしいと、野党側から与党側に申し込んでいた」というのはツイッターで流れている誤解である。その誤解の元となったのは共産党の宮本徹議員のツイートだ。

 新型コロナウイルスが話題となった当初は国会が閉会中で、野党は召集の前倒しを要求していない。これは国会開会後の1月24日のツイートであるが、国会の委員会質疑が始まった初日が1月27日の参議院予算委員会だ。国会開会から最短日程で総理と全閣僚が一堂に出席する予算委員会が決まっているので厚生労働委員会を開く必要はないのだ。しかも、野党が要求していたのは理事会であって委員会ではない。理事会では今後の日程や招致する参考人などを話し合うだけ。

 新型コロナウイルスの問題が深刻化して最短で予算委員会の日程が組まれているに、閣僚出席が限定的で総理も出てこない厚生労働委員会を開く意味はない。しかも27日の予算委員会質疑が始まる前に与野党間で申し合わせ、加藤厚労大臣は質疑より実務を優先してもらうように途中退席を認められている。そんな状況で全閣僚出席の予算委員会日程をすっ飛ばして厚生労働委員会を開くわけがないだろう。

 室井氏の知識レベルでこれを理解するのは無理だろうが、いずれにしても「厚生労働委員会の理事会要求」と蓮舫氏が新型コロナウイルスに触れなかったことは関係がない。こんなデタラメな記事に金を払う週刊朝日は慈善事業でもしているつもりか。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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