異論を排除する共産党、慰安婦問題に疑問を呈した市議を除籍「同氏の歴史認識などは党の立場とは相容れない」
日本共産党東京都調布狛江府中地区委員会は29日、都知事選の支持候補を巡って離党することを表明していた結城亮・府中市議を除籍とすることを発表した。地区委員会は「同氏の歴史認識などは党の立場と相容れない」とし、結城市議に直ちに議員辞職するよう求めている。
結城亮・府中市議の日本共産党からの除籍処分を伝える赤旗記事。
「同氏の歴史認識などは党の立場とは全く相いれない」と除籍理由が述べられているが、党規約第3条には「意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない」と明記されている。
この除籍処分は党規約に違反している。 pic.twitter.com/l5NhH0s9Nf— 松崎いたる・板橋区 (@itallmatuzaki) July 1, 2020
慰安婦問題の認識で宇都宮氏に異論
結城市議は、日本共産党が都知事選で支持する宇都宮健児候補が「都知事に当選したら国会前に慰安婦少女像を建てる」と発言したことに疑問を呈し、宇都宮候補は応援できないとして離党を決意、山本太郎候補の応援をすると表明していた。
結城市議は慰安婦問題について以下のような見解を示している。
府中市議会議員、結城りょうは日本共産党を離党し、東京都知事選において山本太郎さんを支援いたします – 府中市議会議員 結城亮
理由は、宇都宮候補が過去に「従軍慰安婦少女像、強制徴用人像を日本の国会議事堂の前にたてて戦争犯罪の教訓を後代に残さなければなければならない」と、韓国のマスコミで発言をされていることがあります。「従軍慰安婦」の問題は、いまだ真実が解明されていない問題です。根拠になる「事実」を報道してきた「朝日新聞」も虚偽だったことを謝罪し、記事を取り消しています。先日は韓国国内で元慰安婦に関係する団体内で、「内輪揉め」が発生し、紛糾しています。また宇都宮候補は 先日も韓国KBSテレビの取材を受けた際には以前と同じ考えを述べ「都知事になれば東京都のお金で国会議事堂前に慰安婦像と強制徴用労働者像を建て、元慰安婦に謝罪金を払う候補者」として紹介されています。
私は宇都宮候補がこれまで社会派の弁護士として、サラ金による多重債務被害者の救済などで活躍されるなど、大変大変意義ある仕事をされてきたことを、承知しています。一方で弁護士という事実に真摯に向き合うべき人が、不確定な事実を基に都知事のやるべき範疇を超えて国際関係を混乱するような言動に違和感を覚え、宇都宮候補が日本の首都、東京の首長として相応しいのかと疑問を感じたところであります。
党公認で当選した議員が離党を発表した場合に除籍とすることはこれまでもあったが、慰安婦問題を巡る朝日新聞の虚偽報道を批判したことまで除籍の理由にするのは異常だ。
党内での異論は絶対に認めないという日本共産党の独裁体制がこのような厳しい処分に影響しているのだろう。結城市議は慰安婦問題の全てを否定したわけではなく、朝日新聞が虚偽報道を認めていることから「不確定な事実」という表現にとどめている。疑問を呈することすらも許さないという党の方針こそ民主主義とは相容れないものだ。
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