拉致被害者の救出を求める署名を提出した労働組合「ＵＡゼンセン」拉致被害者の松本京子さんは組合の仲間
流通やサービスの労働組合が加盟する「ＵＡゼンセン」が10日、北朝鮮による拉致被害者の救出を政府に求める署名83万筆超を菅義偉官房長官に手渡した。
参考：ＵＡゼンセンが拉致被害者救出へ８３万人署名 – 産経ニュース
このニュースをコピペしてネットの反応をアノニマスポストが配信しているのですが、ちょっとその内容と認識には疑問を抱かざるを得ない。この連中にとって拉致問題はネタでしかなのか？
ＵＡゼンセンは仲間を拉致されている
アノニマスポストが引用した「ネットの反応」のなかに、以下のようなコメントがある。
UAゼンセンはまともな労組
まともではない労組とは？
日教組、自治労、ＪＲ東労組、マスコミ系労組とかいっぱいあるじゃん
労組だからって「拉致なんてなかった」政党の支持じゃないんだね
まともか、まともじゃないかという問題ではない。
ＵＡゼンセンでは組織内の組合員だった松本京子さんが1977年に北朝鮮に拉致されている。また、組合員の娘さんが北朝鮮に拉致された可能性が排除できない特定失踪者のひとりだ。
そもそも拉致被害者奪還は国民運動であって、特定の労組が組織的に活動しているかどうかで評価されるべきことではない。ＵＡゼンセンは組合員である仲間を返してくれとずっと訴えているのであって、それを「良い、悪い」で評価するのは失礼な話だ。誘拐された子供の救出を求める親を「良いお父さん、お母さん」と評価する馬鹿がいるだろうか。仲間を拉致されたＵＡゼンセンが継続的に署名を集めていることを引き合いに出して他の組合を野党に絡めて批判するのは間違っている。
また、根本的に間違ったコメントがコレ。
労働者の代表であるUAゼンセン同盟は素晴らしい！
しかし
労働者の代表の日本共産党は拉致被害者救出要求の署名運動をしないのですか？
日本のリベラル・左翼・社会主義者・共産主義者及びその系列の政党・マスコミは労働者の味方であるはずなのに拉致被害者救出要求の署名運動をしませんよね。
日本のリベラル・左翼・社会主義者・共産主義者及びその系列の政党・マスコミは共産主義国家、共産主義組織の味方だから不可能とでもいうのですか？
組織として署名を集めるかどうかで評価するのが間違っているうえに、署名を集めている方の中には共産党員もいる。拉致問題の活動を自民党だけがやっているというのは誤解で、野党も含めた超党派で活動している。共産党の思想云々の話になると筆者も「嫌い」としか言いようがないのだが、事実関係として初めて国会で閣僚級に拉致の可能性を認めさせたのは日本共産党の議員である。無論、その経緯について諸説あるのは承知しているが、共産党が北朝鮮の拉致を認めていないと思っているなら大間違いだ。
前回衆院選で拉致問題に関する公約をピックアップした「救う会」では、量的には自民党と共産党が多いとしている。（注：共産党の公約そのものを評価しているわけではない）
参考：救う会：★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2017.10.11)総選挙－各党公約集にみる拉致問題
産経新聞以外のマスコミはほとんどが記事内に松本京子さんが拉致当時に組合員だったことを書いているが、そういった経緯も調べず、仲間を拉致されたＵＡゼンセンの取り組みも理解しないまま他の組合を批判するなど、やはりアノニマスポストは野党批判のネタくらいにしか考えていないのだろう。
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