吉村知事「インサイダー疑惑なるものは名誉毀損」日刊ゲンダイの記事に削除求める
大阪府の吉村洋文知事は11日、新型コロナウイルス対策に関連して"イソジン"の可能性を記者会見で紹介したことに関して「インサイダー疑惑浮上」と記事にしている日刊ゲンダイに対して「名誉棄損になります」と指摘し削除を求めた。
テリー伊藤さん自身が、TVでの発言を撤回されています。インサイダー取引は犯罪です。そのような事実はありません。吉村インサイダー疑惑なるものは、名誉毀損になりますので、削除されるようお願いします。一線を超えるものは、然るべき対応をとります。 https://t.co/cFBrN7bUUd
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 11, 2020
テリー氏が否定、チャートも一致せず
この件を巡ってはテリー伊藤氏がテレビ番組で「事前に知っていた」という趣旨の発言をしていたことで、株のインサイダー取引の可能性を示す投稿が相次いでいたが、テリー氏本人が「会見があることは知っていたが詳細は知らなかった」として誤解を招く表現であったことを認めている。
ネット上では株の取引き開始直後から株価が上昇していることを示して、これをインサイダー取引と断定する投稿も見られたが、そもそもすぐに上昇してしまっては高値で株を買うことになるのでインサイダー取引は成功しない。株価が低いうちに事前情報を得て株を購入し、重要情報が公開され株価が上昇したところで売り抜けるか保持し続け将来的な配当を受けなければねばならないが、指摘するアカウントが示したチャートでは時系列的にそれに合致していない。はっきり言って他の買い材料によるものだ。
日刊ゲンダイの記事でも、これらがインサイダー取引の動きではなく他の買い材料によるものであると指摘されているが、タイトルからは吉村知事が犯罪を犯しているとしか読み取れない。
今回の吉村知事の発信方法については様々な批判があり、本人も反省するところがあるようで「批判は真摯に受け止める」とツイッターに投稿している。ただし、特定の人物を指して刑法犯であるとの投稿や記事は指摘ではなく明確な名誉棄損にあたる。
今後、吉村知事が記事や投稿に対して行動に出るかは不明であるが、批判の仕方に関してはそれぞれが慎重に考える必要があるのは確かだ。
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