【歴代総理出身地の不思議】安倍総理「山口県出身」宮澤元総理「広島県出身」→実際はどちらも東京生まれ東京育ち


 ちょっとツイッターで生まれ育ちを指す“出身”について語っていたら「宮澤喜一も広島出身だ」というひとに出会ってしまいました。宮沢元総理は東京生まれ東京育ちなんですが。

 ちなみに安倍総理は山口県出身と言われてますが、東京都で生まれ成蹊小学校から成蹊大学と完全に東京の人です。就職して一時期神戸にいましたが、それ以降もずっと東京。
 ではなぜ、安倍総理は「山口県出身」で宮澤喜一・元総理は「広島県出身」とされているのか?

 これは、戦前は総理の“出生地”を出身地としていたのが戦後は“選挙区”で表記するようになったからです。これが官邸ホームページで採用されているルールなのです。
参考:内閣制度と歴代内閣

出生地、ルーツ、選挙地盤が複雑に絡む

 安倍総理の祖父である岸信介・元総理(母方)と安倍寛・元衆院議員(父方)は山口県出身ですが、父親の安倍晋太郎・元外相と母親は東京都出身です。ただし父の晋太郎は出生後に山口県に帰ってそこで育っている。政治家としては山口県(旧山口1区)を地盤とし、現在は安倍総理が引き継いでいる。

 一般的に出身地とは、幼少期から義務教育期を過ごした土地を指す。出生地は単純に産まれた土地だ。ただし、前述の通り総理大臣の出身地は選挙区で表記するのが通例で、山口県で生まれ育った菅直人・元総理は選挙区が東京のため出身県(都)が「東京」となっている。山口県出身の総理大臣に菅直人が含まれないことを一時期「山口県の恥だから消した」とデマも流れたが誤りである。

 冒頭で出てきた宮沢喜一・元総理であるが、やはり東京生まれ東京育ちであるが選挙区が広島県東部であることから「広島県出身」とされている。父親の裕は苦労しながら東京帝国大学を卒業し官僚を経て会社勤めをしたのちに、政界に転出している。出生地が広島県福山市金江であることから広島県を地盤とした。息子の喜一も参議院議員(広島県選挙区)を経て衆議院旧広島3区を地盤としている。地元では金江の宮沢家が田舎の貧しい農家であったことから「ここから総理が生まれた」と語られているが、父の生家であり喜一はここで育っていない。父親と親族の努力もあって、喜一は「お坊ちゃん」育ちなのだ。

 政治家の世襲などでは、選挙区に関係なく東京で生まれ育っていることが多く、出生地を基準にしたらどんどん東京出身総理が増えてしまうだろう。ちなみに次期総理と目される岸田文雄衆院議員も、東京生まれアメリカ&東京育ちであるが、選挙区が広島1区なので総理になれば「広島県出身の総理」となる。

衆議院選挙区からしか総理になれない?

 総理になるには通例として衆議院議員でなければならない。参議院でも可能なのだが、解散権が衆議院にしかないことなど様々な理由で戦後の総理は全て衆議院から選ばれている。かつて民進党の代表だった蓮舫参院議員が、野党第一党で政権交代を訴えるならば衆議院に鞍替えして総選挙を戦うべきだと迫られ検討したが、国籍問題などで総選挙直前に辞任、いまも参議院のままだ。

 このように総理大臣とは、限られた地域で構成される選挙区の支持者らの支援によって当選を重ね上り詰める地位。よって、選挙区の地元民としても「我が故郷から総理誕生」と湧き上がる。東京育ちでも実際に選挙区に本籍地を置くなど一族のルーツはその土地にある場合が多く、総理の出身地として表記されても誰も疑問には思わないのだ。

 余談であるが、山口県で生まれ育った菅直人・元総理が「東京都出身」と表記され喜んでいる都民はどれほどいるだろうか。山口県側からも東京都出身とされることに抗議の声も聞こえず、東京と山口で押し付け合っているような気がする。

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