取材レポート!政治資金と立憲民主党、自分たちに甘く疑問に真摯に答えない不誠実さ【マガジン69号】
11月後半は政治資金収支報告書の定期公表。我々が最も忙しくなる時期であるが、大手マスコミは与党系からチェックするのでネットメディアとしては野党系を優先的にチェックすることとなる。
今回の2019年分は参議院選挙もあったことでにぎやかな収支報告書となるかと思いきや、安倍政権の疑惑を追及してきた野党としてはかなり慎重な記載をしていたように思います。提出直前には桜を見る会の問題もあったので、下手な記載をすればブーメランとなることから相当気を使ったものと思われる。
この他に、政党支部代表である議員に直接問い合わせたものも何件かある。納得のいく説明をした議員が大半であったが、無回答であったり不誠実な回答を寄こした事務所もあり、立憲民主党特有のメディアを敵視したり操作しようとする傾向が露骨に表れた年でもある。
塩村あやか議員の「SNS対策費」
別の記事で詳細を報じているが、塩村あやか参院議員の政党支部が支出した「SNS対策費」約70万円が選対の広報局長に支払われていた問題。運動員への高額報酬(運動員買収)を疑われかねない不自然な記載方法である。
塩村氏と選対広報局長を務めた区議に問い合わせたが無回答であった。事実関係の精査以前に、政治家が政治資金収支報告書に関わる取材を拒否した時点でマスコミが大騒ぎしてもおかしくないのだが、極めて不誠実で傲慢な対応である。無回答であることを問題視した支持者がSNSで塩村氏に問い合わせたようだが、それに対する回答も不誠実で「問題ないと分かってる、答えてませんよ、重なるようなら顧問弁護士に相談する」というもの。説明責任から逃げ、訴訟恫喝ともとれるような態度に出ているのだ。
立憲民主党は取材を無視することが多いが、さすがに政治資金収支報告書に関する確認を無視するのは異例で、当方の経験上、安住淳国対委員長と塩村氏だけだ。
石川大我議員の真っ白報告書
石川大我事務所からは回答があり、違法性はないと判断ができたため記事にはしていない。それでもツッコミどころの多い収支報告書で、透明性のかけらもない収支報告書であった。他の議員が積極公開で透明性を重視する一方で、石川氏は公開に法的強制力がなければ記載しないという方向で、受けた献金(寄付金)のすべてが非公開なっていた。寄付金控除を希望しない5万円以下の寄付は氏名住所職業の記載を省くことができるのだが、外国人献金などが度々問題になっていることもあり、ほとんどの議員が寄付控除の有無を問わず公開を前提としている。
石川事務所は全ての項目に一応の回答があったのだが、一部の質問に「法令に基づいて、適切に対応致します」と答えた部分があり、これは記載漏れを認識して収支報告書を訂正するものと思われる。
石川事務所の問題はこれだけではない。回答の文書に看過できない一文が記載されていたのだ。