アシックス本社は声明の許可を出していない?中国法人の新疆ウイグル自治区めぐる声明でハフポストと異なる報道、豪ABC

マスコミ・報道



 豪ABC(オーストラリア放送協会)は29日、スポーツ用品大手のアシックス中国法人が「新疆ウイグル自治区産の綿花を引き続き購入する」「中国に対する一切の中傷とデマに反対する」と声明を発表した問題について、本社広報担当者が「問題となっている発言は無許可」と否定していることを報じた。
 豪ABCはアシックスを「プロパガンダ闘争に巻き込まれた企業」と紹介し、ウイグル弾圧を批判するキャンペーンを避けるため中国人現地スタッフが書いた可能性にも言及している。
出典:Australian Olympic uniform supplier ASICS caught in human rights cotton controversy – ABC News

 この問題が報じられた当初、ハフポスト日本版では本社広報担当者への取材結果として「この声明は本社の了解を得て中国法人が出したものだ」と報じていた。日本本社が公式に声明を出していないことから、ハフポストと豪ABCのどちらが正しいかは不明だ。
参考:「中国に対する一切の中傷とデマに反対する」アシックス中国法人、新疆ウイグル自治区めぐる問題で声明 | ハフポスト

豪ABC記事の翻訳(抜粋)

 豪ABCの記事では、今回の騒動を「プロパガンダ闘争」としている。(自動翻訳)

オーストラリアのオリンピックチームのユニフォームを提供しているアシックスは、中国での人権侵害、特に新疆ウイグル自治区での人権侵害に関わるプロパガンダ戦争に巻き込まれた最新のスポーツウェア企業です。

 本社広報担当者のコメントとされる部分が以下、

日本の神戸にあるアシックス本社は、日曜日の午後に緊急会議を招集し、この問題について議論しましたが、その後、広報担当者は次のように述べています。

現在、問題となっている発言は無許可のものであり、この件に関する当社の公式見解ではないことを明らかにしています」と述べています。

 また、オーストラリアのオリンピックチームのユニフォームには、新疆ウイグル自治区産の綿花は使用されておらず、同自治区で製造されたものではないことを確認しています。

 関係者は中国人の現地スタッフが承認を得ず書いたと証言しているようだ。

関係者によると、このソーシャルメディアへの投稿は、中国政府が否定し続けている人権侵害を訴えた企業を対象としたキャンペーンを避けるために、アシックスの中国支社とその現地スタッフが、神戸(本社)の承認を得ずに書いたものである可能性が高いとのことです。

中国ネットユーザーは激怒

 この放送についてレコードチャイナでは、中国ネットユーザーの辛辣なコメントを掲載している。

アシックスが「新疆綿」支持?「中国法人が勝手に発表」―中国メディア
(前略)このことについて、中国のネットユーザーは「だったら中国から出ていけ」「日本人は手練手管に長けている」「日本企業ってこういうちょっとした配慮が本当に足りない」「言っていることがブレまくり」「『お前らどうせ結局は買うんだろ』っていうなめた考え方を持ってそうだ」「25日のコメントを見てアシックスのシューズを3足も買ったのに…」といった感想を残している。

ハフポスト報道と食い違う

 ハフポスト日本版の報道と比べると完全に食い違っている。豪ABCの報道もリアリティがあるが、ハフポスト日本版の記事はアシックス本社の目にも留まることから、間違いであれば企業イメージを守るためにすぐ指摘されそうなものだ。両メディアとも正しく報じているとすれば「声明の許可は出したが、あの内容は許可していない」ということか?

 いずれにしても、アシックス本社が公式に見解を示していないことが問題である。中国によるウイグル弾圧と人権侵害は世界中から注目されつつあり、企業イメージへの影響も大きい。アシックス本社は早急に対応する必要がありそうだ。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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