NHKが謝罪、東京五輪「金を貰って反対デモに参加」男性証言の事実確認を怠りテロップ なぜ?大手メディアは追随しなかったのか?

マスコミ・報道



 昨年12月にNHK・BS1で放送されたドキュメンタリー番組で、東京五輪反対デモに関してインタビューを受けた男性の証言中に「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とテロップを入れていた問題で、実際には男性がお金を受け取ってデモに参加していたかどうかの事実確認が行われていなかったとして、NHKが9日夜にBS1で謝罪の放送を行った。

NHK、事実確認せず不適切字幕「金もらって」「五輪反対デモ参加」:朝日新聞デジタル
 NHKによると、不適切な字幕があったのは、河瀬さんの依頼で五輪反対を訴える市民らを取材していた別の映画監督に密着したシーン。この監督が話を聞いていた匿名の男性について、番組では「五輪反対デモに参加している」「お金をもらって動員されていると打ち明けた」とテロップで紹介した。

 テロップは担当ディレクターが独自に補足取材した内容に基づいて作成したが、実際には、男性が五輪反対デモに参加した事実は確認できていなかったという。

なぜメディアは追随しなかったのか

 この番組がネット上で話題となった経緯としては、お金を受け取って反対デモに参加しているとするNHKと密着取材を受けた河瀨直美監督に対して抗議が殺到したからだ。これに対して保守層は「やっぱりお金で動員されてた」と動画をさらに拡散する乱戦状態となっていた。

 ネットメディアやまとめサイトではかなりのPVが稼げる案件ではあるが、当サイトでは取り扱っていないし大手メディアも完全にスルーしていた。保守層からは「なぜテレビで扱わない」などと怒りの声もあったが、まともに取材しているメディアの人間ならば、絶対に手を出してはいけない案件であることが感覚でわかっていた。

 なぜなら、これだけの重要証言を撮影した監督が本当に聞いていたのであれば、もっと掘り下げて取材するはずだからだ。テロップで表示されただけでインタビューを受ける男性の声では「(参加)支持された」とする証言はあっても「金をもらった」という言葉は確認できない。流れとしては、支持を受けるにあたって対価があって当然と認識もできるが、会社や組合からの動員依頼は珍しい話ではなく、弁当代や交通費も出る。これを政治的な意図をもって金銭で動員されたと報じるのはリスクが高過ぎるのだ。そもそも男性がデモに参加した時の写真すらも提示されていない。
 あと、申し訳ないが、インタビューするのに公園で缶ビール飲み始めた時点でお察し案件だ。

 ようするに、男性の証言が嘘であるとも断定できないが、真実であるという相当性が確認できない。さらに、外部から追加の取材をするのも不可能な事案に関して、大手メディアが取り扱うことはない。

 こういう不確定情報でPV稼ぎしていた連中には猛省をしてほしいが、一方で河瀨直美監督を中傷する投稿をひたすらリツイートしていた東京新聞の望月衣塑子記者にも反省を促したい。そもそも撮影者は河瀨監督ではなく別の男性監督で、その男性監督ですら聞いていなかった証言をNHKのディレクターが「男性から聞いた」として無断でテロップを入れていたのだから。全く河瀨監督が関与していなかったことに関して、連日に渡り中傷を繰り返していた人も反省が必要だろう。

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