立憲議員「4メートルの津波で防潮堤が傾いた」志賀原発の被害投稿→事実なし イデオロギーにまみれた震災デマに注意を

政治・社会



 立憲民主党の早稲田ゆき衆議院議員が2日、志賀原発の水位計が3メートルの水位上昇を観測したというNHK報道を引用し「4メートルの津波で防潮堤が傾いたと。60年稼働など論外。」とX(旧ツイッター)に投稿した。しかし、記事内にも北陸電力の発表にもそのような内容はなく事実ではない。


防潮壁に津波は到達していない

 報道と北陸電力の発表によると、数センチ傾いたというのは防潮堤ではなく防潮壁だ。名前は似ているが位置関係と構造を見れば全く異なるものだ。資料によると防波堤とは別に海面から11メートルの位置に4メートル(標高15メートル)の「防潮堤」があり、さらに原発敷地内の取水層周辺に浸水を防ぐ4メートルの「防潮壁」が設置されている。津波が海面から11メートルの防潮堤に到達した事実はなく、当然ながら防潮壁に到達したという事実もない。仮に巨大津波に襲われても直撃を受けるのは強固な防潮堤である。防潮壁はそれを乗りこえた海水の浸水を防ぐための正に「壁」であるが、これが巨大地震でも少し傾いただけで倒壊の恐れもないということだ。
参考:2024 01 02 令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について(第3報)


出典:安全対策の取組み:津波に備える 北陸電力株式会社


出典:志賀原子力発電所の防潮堤・防潮壁の完成および安全強化策の「更なる対策」の進捗状況について 北陸電力株式会社

早稲田議員の創作部分

 防潮壁の意味も知らず原発の危機を煽るのも悪質だが、早稲田議員の投稿には報道にも北陸電力の発表にもない創作と思われる部分がある。それは「4メートルの津波」という部分だ。
 志賀原発への津波到達高さは現段階でも調査中となっているが、水位計が計測した上昇が3メートルという情報からも「4メートルの津波」が到達したというのは早稲田議員による創作と思われる。または防潮壁の高さ4メートルと誤認したとすれば、東日本大震災以降に志賀原発が講じてきた津波対策を根本的に理解していなかったことになる。

 反原発イデオロギーによる創作か誤認であることは間違いなく、国会議員が被災地を不安に陥れるなど言語道断だ。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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