二階さん、またご乱心?衆院栃木2区、県連公募で落選した西川公也元農相の長男立候補を了承 保守分裂へ【マガジン120号】
次期衆院選の栃木2区に、自民党の西川鎭央(にしかわやすお)県議(49)が立候補する意向を固めた。2区には県連が公募で五十嵐清元県議(51)の擁立を決めていたが、西川公也元農相が二階俊博幹事長と林幹雄幹事長代理と面会し、長男の鎭央氏が立候補することの了承を得たという。
参考:西川県議が衆院栃木2区出馬へ 自民、分裂選挙の公算|県内主要,政治行政,社会|下野新聞「SOON」ニュース|とちぎの選挙|下野新聞 SOON(スーン)
このままいけば保守分裂選挙となる。栃木2区は西川公也元農相が立憲の福田昭夫氏に2連敗し県内で唯一落とした選挙区で、アキタフーズからのクルーズ船接待問題などもあり支部長交代を求める声が強い。だが西川公也氏は、公募で長男が選ばれなかったことを不服として支部長辞任を拒んでいる。
西川氏の古い体質は受け入れられない
二階幹事長としては西川公也氏と県連の和解を求めているようだが、県連としては県内で唯一議席を失ったうえにアキタフーズ接待問題から逃げるように内閣官房参与を辞任した西川氏の長男を擁立できるわけがない。支援者が西川氏を応援しても、コアではない自民党支持層から理解を得るのは難しい。
そもそも西川公也氏はこの長男が経営する会社を巡って政治資金問題を過去に指摘されており、政策秘書時代にも勤務実態を疑われていた。県議となったまでは良かったが、さすがにアキタフーズ問題を抱える父親が後継として衆院選にゴリ押しできるような人物ではない。
西川公也氏は落選後に内閣官房参与に就任する優遇を受け、アキタフーズ問題で辞任後は新設された党幹事長特別参与として党務に就いている。二階幹事長に近いことから特別扱いを受けているわけだが、古い政治家の典型のような振る舞いや言動が多く、常識的に考えれば厄介払いされる対象だ。
二階氏が背負う郵政選挙の後始末
二階幹事長の強引な手法に不快感を露にする保守層も多いが、ある意味で自分が悪者になって調整をしているのも事実で、党内で反発が起きそうな移籍組などは漏れなく二階派が受け入れている。
そもそも自民党の保守分裂選挙は珍しい話ではなく、2005年の郵政選挙に端を発する分裂劇は今でも尾を引いている。二階氏が背負う代表的な保守分裂選挙区の争いを以下に解説する。