竹島の日を無視?内閣府広報「2月22日は猫の日」投稿に批判殺到!多くの人が勘違いしている竹島の日の扱いと政府広報
政府広報室のツイッターアカウントが、2月22日を「猫の日」として災害時のペット避難について広報したことに批判が殺到している。2月22日が「竹島の日」であるにも関わらず領土問題よりも猫を優先するのか?という批判が主なものだ。
今日・2月22日は「猫の日」。猫に限らず、ペットがいると心が癒されますね。
でも、ペットのために災害時の備えはできていますか?避難所にペットを同行できる?えさや水は?トイレは?備えのポイントを動画で紹介します。https://t.co/byjQx7xo1e#猫の日 #ペットの防災 pic.twitter.com/nj43yanGTY
— 内閣府政府広報オンライン (@gov_online) February 22, 2021
批判している人の言い分には概ね賛同できるのですが、政府広報の性質と竹島の日の扱いについて理解していない人が多いように感じる。
竹島の日は国指定の記念日ではない
まず勘違いしている人が多いようですが「竹島の日」を2月22日に国が指定した事実はありません。これは島根県が独自の条例で制定したものであり、政府のアカウントが記念日として告知する性質のものではありません。一方で、猫の日はなぜ許されるかと言うと、これは民間が設定したものであるが投稿内容は記念日ではなく「ペット同伴避難」の広報だからです。
今回の件でカッとなってる人は納得できないかもしれませんが、原則的に国と地方がそれぞれ独立して行うことである以上は広報として線引きをしなければなりません。広報アカウントの過去の投稿をざっと見てみましたが、記念日関連の投稿は国が指定した記念日のみで、あとは猫の日と同様に話題としての節句などに限られているようです。
こういった一定のルールのようなものがあるのに、話題として「猫の日」と書いてしまったことが「記念日の広報」と認識され、竹島の日と比較して優先されたという誤解を生じさせてしまったようだ。
冷静に読んでもらわないと理解されないかもしれませんが、
・「猫の日」を記念日とは書いていない
(内容は防災広報である)
・政府広報が扱うのは国指定記念日
・「竹島の日」は島根県の独自制定
本当に理解しがたいかもしれませんが、政府は竹島について無視してているわけではなく「2月22日は竹島の日」と政府アカウントで広報することは、島根県の地方行政に無断で介入することになるのです。一方で、政府が行う竹島に関する世論調査などの告知は政府案件としてしっかり行われています。
【更新情報】竹島に関する世論調査及び尖閣諸島に関する世論調査(令和元年10月調査)https://t.co/xb82CgsDP2
— 内閣府政府広報オンライン (@gov_online) December 6, 2019
領土問題は外務省の所管であることから、外務省の公式アカウントから随時広報は行われており政府広報だけを捕まえて「竹島は?」と責めるのもおかしな話です。また、同じ領土問題でも「北方領土の日」は総務庁(当時)の主導で閣議了承されています。国の指定する記念日ですから、北方領土の日は政府広報アカウントから過去にアナウンスされています。
要望と批判は使い分けましょう
個人的には竹島の日を国指定の記念日にしていないことが問題と考える。島根県が2005年に制定したことに対して韓国側は猛反発して様々な影響が出ているが、領土問題とは一歩も譲れない問題であることから政府が引いてはならない。
政府としては2月22日に限らず様々な対応を行っているのだが、島根県での式典に閣僚を出席させないなどの対応を続けている。こういった対応に関して政府を批判しつつ要望を上げることは大切なことだ。一方で、国の記念日に指定されていない状況で、島根県独自の条例を国に当てはめることは無理な話で、ここは国の指定に切り替える要望を伝えるのが先だろう。
竹島の日に関する思いは否定しないが、島根県の条例を国指定の記念日と勘違いしたり、国と地方行政の違いを理解せずに政府広報を責め立てるのは得策とは言えない。内閣や外務省に竹島奪還策を求めることと2月22日に限定した広報を求めることは性質が異なる。
国指定の記念日にするべきと考えるなら、政府広報の「猫の日」を責めても仕方ない。
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