検証!保守速報の「光の戦士こと原口一博、落選!」は悪質なフェイクニュース、利用された朝日新聞デジタルのスクショも誤り
まとめサイト「保守速報」が1日に配信したフェイクニュースに、立憲民主党の原口一博衆院議員(佐賀1区)が不快感を露にするツイッター投稿を行っている。
嘘をつくな❗️ https://t.co/5NyBGt8Bem
— 原口 一博 (@kharaguchi) November 2, 2021
原口氏は佐賀1区で選挙区当選しており落選はしていないが、保守速報は「【速報】光の戦士こと原口一博、落選!」とタイトルを付け、関連するツイッター投稿や写真で悪質な印象操作を行っている。
フェイクのカラクリと印象操作
原口氏の怒りのツイートには、朝日新聞の誤報(当確間違い)を原因とするリプライが多数寄せられているが、朝日新聞が当確間違いをしたという事実はない。記事内で引用されている朝日新聞の記事は2012年12月に民主党が下野した時のものだ。
資料:朝日新聞デジタル:民主・原口一博氏が小選挙区で敗れる 発言のぶれに批判 – 注目の当落 – 第46回総選挙
また記事に貼られている朝日新聞デジタルのスクショは今回選挙のものであるが、表示されているマーク「確」は自民党の岩田和親氏が選挙区か比例区「どちらかで当選」するというマークであり、原口氏の落選を意味するものではない。
朝日新聞では、小選挙区での当選を「当」、比例区での当選を「比」、どちらかで当選は「確」と表示するルールになっており、スクショで利用されたページにもそれが説明されている。
どちらかで当選の「確」については、開票終盤まで競り合った場合に惜敗率で比例復活することが確定しているが選挙区当選の可能性もある場合に使われる。これは比例票が多く枠に余裕のある自民党候補に出やすく、岩田氏は残りの開票数からみて選挙区落選しても惜敗率が比例九州ブロックの上位に入ることが確定したので「確」のマークがついたのだ。一方の原口氏が公認を受けた立憲民主党は、九州ブロックでの比例獲得枠の予測が4つしかなく、惜敗率90%以上となる見込みの接戦区も多かったため、選挙区で落選した場合に比例復活できない可能性が最後まで残っていた。
ツイッター投稿者の勘違いもあったかもしれないが、2012年の記事を引用しているものは悪意を否定できない。また、指摘を受けても訂正も謝罪もしない保守速報の態度からは、嘘でもいいからフェイクニュースで儲けてやろうという意図しか見えない。
これを「愛国者」を名乗る自称保守界隈が積極的に拡散し、運営の支援までしているのは情けない限り。これでは中国の愛国無罪と同じではないか。
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