フェイクニュース「ウクライナ政府、拾ったロシア軍の戦車や車両を自家用車にすれば、なんと自動車税が「無料」だと発表!」

政治・社会



 ロシアによるウクライナへの軍事侵略が開始されて以降、日本のまとめサイトが相次いでフェイクニュースを拡散する事案が確認されている。フェイクの内容としては、実際に海外で報道された記事をソースとしながら、全く異なる内容の日本語タイトルを付け加えて、ロシアやウクライナを嘲笑するようなコメントを集めるという稚拙で粗悪なものだ。

 先日も「ロシア政府、戦死者の遺族に11,000ルーブル(12,345円)しか払えないと表明」と言うタイトルで多くのまとめサイトが記事を配信したが、ロシア側からそのような発信がなされた事実はなくフェイクニュースである可能性が指摘されている。
参考:フェイクニュースか?「ロシア政府、戦死者の遺族に11,000ルーブル(12,345円)しか払えない」まとめサイトを踏み台にした工作に注意

 3日にも『ツイッター速報〜BreakingNews』によって新たなフェイクニュースが配信されている。


タイトルとソースが一致せず

 ウクライナ政府がロシア軍の戦車を自家用車とした場合に、自動車税を免除するという発信をした事実はなく、ソースとして添付されている記事では、ロシア軍の戦車や装甲兵員輸送車を鹵獲(ろかく)した場合に、これを法律に従って財産状況の変更として届ける必要はないと伝えているだけだ。その理由として以下のように説明されている。

No need to declare captured Russian tanks, other equipment of invaders as income – NAPC(翻訳タイトル:鹵獲したロシア戦車など侵略者の装備を所得として申告する必要はない-NAPC)
“法律の文面から言えば、コンバットトロフィーは次の理由から申告書に反映させる対象にはならない:それらはいかなる種類の取引の締結の結果としてではなく、2014年に開始されたロシア連邦のウクライナに対する陰湿な攻撃の継続として、2022年2月24日にロシア連邦が独立主権国家ウクライナに対する全面攻撃を行ったことに関連して取得したものである。ウクライナ国家の防衛者の勇気と勝利のおかげで、敵の軍事機器は通常、すでに破壊され、使用不能になっているため、ウクライナの財産、財産権、専門的評価活動の評価に関する法律に従って評価することが不可能になっています。従って、そのような財産がいくらするのか調べることも不可能である"

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

 まとめサイトがタイトルにしているような内容はどこにも記載されていない。また国家汚職防止局の公式の発表を翻訳してみても該当するような記述はない。
 以下は自動翻訳した全文

戒厳令下の財務管理措置に関するウクライナ法「汚職の防止について」の特定条項の適用に関する2022年2月28日付法令№2|National Agency for the Prevention of Corruption
1. 24.02から受け取った財産および現金資産に関する財産状況の重要な変更に関する申告および届出の必要性。 2022 ウクライナの治安部隊と(または)ロシア連邦の侵略の結果被害を受けた人を支援するために第三者から宣言の対象者とその家族のメンバー。

申告書には、申告者またはその家族が申告期間中に受け取った所得に関する情報を記載しなければならない(法第46条第7項第1号)。

ロシア連邦のウクライナに対する軍事情勢と軍事侵略の状況下で、多くの申告者とその家族は、ウクライナ軍と(あるいは)軍事侵略の結果被害を受けた人々の必要性に応じて、金銭や財産を集めることを要求されているのです。

このような目的のために受け取った資金は、申告者とその家族の個人所得ではなく、ファシスト侵略者と戦うウクライナ国民の連帯と団結の表れであることを明確にする。

この金額は、申告・届出に反映されません。

2 2022年の年次申告期限、および財産状況の重要な変化の届出期限について

P.1、P.2、P.3、P.4で言及されている人物。"a “及び “c “第2項、法第3条第1項。同法第1部第3条a項及びb項、第2部第3条により、前年度の財産状況の申告は6月1日までウクライナ国家庁の公式ホームページで行う必要があります(同法第1部第45条)。

申告対象者の財産状況に大きな変化があった場合、すなわち、収入の受領、財産の占有、最低生活費50を超える金額の引き出しがあった場合、申告対象者は収入の受領、財産の占有、引き出しがあった日から10日以内に国家機関に通知しなければならない(法52条4項)。4 法52条)。

同時に、24.02.2022 № 64/2022「ウクライナの戒厳令について」のウクライナ大統領令を考慮し、24.02.02のウクライナ法によって承認されました。 2022 ¹ 2102-IX「ウクライナにおける戒厳令について」の大統領令の承認について、国家機関は、ナチスの侵略者に勝利し戒厳令が終了するまで、申告者は財産状況の重大な変化に関する申告書や通知書を記入・提出する時間を失わないことに留意している。自国の自由、ヨーロッパと世界の平和、ウクライナ国家の防衛を守るためのあらゆる努力を報告できるようになること。

(3) 申告対象者及びその家族がウクライナ国家の防衛中に戦闘で得た傭兵資産の申告について

原則として、申告者またはその家族が私的所有権に基づいて所有する100NIMを超える価値のある家財道具の情報を申告書に記載しなければならないことになっています。共同所有権を含む、またはその所有もしくは使用において、この権利を生じさせた法的配置にかかわらず。

自動車およびその他の自走式機械装置の詳細は、その価値に関係なく記入すること。

申告対象者またはその家族が所有または使用した申告対象物に関するデータは、会計期間の最終日現在または会計期間中に半日以上所有または使用した場合に申告書に記入する(第3項第1号2.1.)。3 part 1, par. 3 part 2 Article 46 of the Law)。

ウクライナ内戦では、申告者/その家族が戦闘で得た財産は、宣戦布告による損失ではなく、24日からの全面的な侵略による損失であるため、申告書に記録されないことを説明します。 2022.02.02 独立主権国家ウクライナに対するロシア連邦の侵略は、2014年に始まったロシア連邦のウクライナに対する攻勢の続きとして継続されます。

ウクライナ国家の守備隊の勇気と勤勉さにより、軍備、装甲、その他の軍需品はブルシュ。ウクライナの法律「ウクライナにおける財産、財産権および専門的評価活動の評価に関する法律」では、その価値が申告基準(100 OM)を超えているかどうかを評価することは不可能です。

同時に、汚職防止庁は、資産に関する財産状況の重要な変更に関する届出の技術的な実現可能性を引き続き確認しています。ウクライナ軍の独立宣言は、宣言者がそのような行動を実行する意思がある場合です。

ウクライナに栄光あれ

の責任者です。

ナショナルエージェンシー

腐敗防止策

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結論 フェイクニュース

 ロシアによる侵略で全面戦争となり、これに抵抗し闘って鹵獲(ろかく)した軍備などは「ウクライナにおける財産、財産権および専門的評価活動の評価に関する法律」」に従って申告する基準を超えているかどうかは評価不可能と言う内容だ。

 戦車や軍用車両を自家用車にするとか自動車税の免除と言う内容はどこにも含まれておらず、匿名掲示板「5ちゃんねる」に立てられた虚偽のタイトルをそのままコピーした結果だ。ロシアによる侵略が始まって以降、こういったフェイクニュースのスレッドが乱立し、まとめサイトはそれを自動的にピックアップして耳目を集めることで収益をあげている。

 内容的にロシアを批判しているようなものでも、イメージ的にはウクライナ政府が正常に機能しておらずゼレンスキー大統領がエキセントリックな行動を繰り返しているような印象を与えるものが多い。

 まとめサイトが知らぬ間に両国の情報工作に利用されている可能性は排除できず、またそれを自覚しても収益目的にフェイクニュースの発信を継続している節もある。自民党では有事の敵国SNS工作について対策を検討しているようだが、まとめサイトのような発信源を踏み台にしたSNSでの偽情報拡散は、その根源を叩かなければ解決は不可能だろう。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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