投票所での撮影は違法ではないが・・・取り扱い次第で違法、常態化で大きな問題も

政治・社会



 現在行われている参議院選挙で、NHK党などが期日前投票で誰に投票したかをスマホで撮影しSNSにアップすることを勧奨している。実は投票所内での写真撮影を禁止する法律はなく、秩序を乱すような撮影方法でなければ記入済の投票券を撮影して公開しても違法ではない。

 ただし、期日前ではなく投票日(今回は7月10日)にSNSなどネット上に公開するのは公選法で禁止された期間外の運動(投票日当日は選挙運動ができない)とみなされる可能性があるので注意が必要だ。また、投票所内で他人のプライバシーを侵害するような撮影方法は秩序を守るために注意され、従わない場合は退場を命じられることもある。

 一部では家族で期日前投票に行き、投票記載台で2枚同時に撮影して公開した人もいるようだが、家族であっても投票に干渉する行為は禁じられている。記入後の投票券であっても互いに干渉せず投票を済ませる必要があるので好ましくない行為だ。障害などで介助が必要な場合であっても、家族やヘルパーではなく職員が付き添いすることになっている。

法改正しなければ投票の強要が起こる

 投票所での撮影は他人に干渉しなければ罰せられることもないのだが、投票所の秩序維持とプライバシー保護のため「撮影お断り」の表示がされていることが多い。お願いのレベルなのでNHK党では撮影を勧めているのだが、これが常態化すると大きな問題が生じる可能性がある。
 日本維新の会の宮崎タケシ元衆院議員は「これ必ず組織票の締め付けに使われるようになる。秘密投票という選挙制度の根幹が崩れるから、来年の統一地方選の前に公選法を改正して、違法化した方がいいよ!」とツイッターで指摘している。


 例えば、会社や組合、宗教団体などで「推薦支持の候補者に投票したことを写真で証明せよ」という指示が出る可能性は考えられる。そもそも憲法で投票の秘密が保証されていることから、投票先の開示を強要することはできないのだが、強要ではなくあくまで任意という形で行われている「聞き取り」の延長線上で写真を求められたら、虚偽報告で投票先を秘密にすることもできなくなる。

 強要でなくとも組織内で写真を見せ合うことが普通のことになれば、個人の意思よりも組織の意思が投票行動に強く影響することになってしまうだろう。投票の秘密という観点から、やはり撮影を禁止する法改正が必要なのではないだろうか。

追記:撮影により票を売ることができるとの指摘あり。写真を見せることによる事後買収に悪用される可能性。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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