杉並区選管が区議選「ボートマッチ」を中止 公選法違反だけでなく投票率向上に効果なし【マガジン207号】

KSLマガジン



 東京都杉並区の選挙管理委員会が、ことし4月の区議会議員選挙で公開する予定となっていた「ボートマッチ」の実施を断念した。

 ボートマッチとは、インターネット上でいくつかの問いに答えると、自分に合った投票先が表示されるサービスであるが、総務省はこれを「選挙運動と認められる」との認識を示し、平等公正な取り扱いを担保することは困難であるとして、公職選挙法に抵触する恐れもあるとしている。ただし、これを民間が行うことまでは制限できないとのことで、選挙管理委員会が選挙運動を行うことが指摘された形だ。

 当初から批判もあり当然の結果と言えるが、このボートマッチに乗り気だった岸本聡子区長は、まるで選挙管理委員会の独断であったかのような声明を出しているが、区長として議会で前向きな答弁をしておきながら、あまりにも無責任だ。


問題点を理解できているのか?

 岸本区長は総務省の指摘に「残念だ」して、これを民間が行うことを期待している。明らかに総務省の指摘を理解しておらず、区長としての立場すら認識できていないのではないか。

 選挙管理委員会がボートマッチを行うことが選挙運動と認められた理由は「平等公正な取り扱いを担保することは困難」ということだ。しかし、杉並区がシステムを依頼していたのが選挙ドットコムという民間企業で、この会社は直近の衆院選と参院選で『投票マッチング』としてボートマッチを行っている。岸本区長の声明には「#投票マッチング は規制されません。」と同社のサービス名が記述されており、選挙ドットコムが独自に区議選でボートマッチを行うことを期待するものだ。明らかに選挙ドットコムを意識した声明であり、仮に区議選で独自にボートマッチが行われたら、これを純然たる民間の取り組みと言えるだろうか。

 そもそも、岸本区長が期待する投票率向上にボートマッチは機能しない。仕組みからして政治的な偏りは不可避で、民間であっても世論誘導のリスクがあることが1年前に国会で指摘されており、大臣もこれを選挙運動として認識する答弁を行っている。
 岸本区長は立憲民主党の吉田晴美衆議院議員の支援を受け当選したが、ボートマッチを巡ってはその立憲民主党からリスクが指摘されている。国会で総務大臣に質問したのは同党の落合貴之衆議院議員だ。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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