日本企業12社、ウイグル族に対する強制労働への関与が認められた企業との取引停止へ
電子機器や服飾を含む日本の主要小売り・製造業12社が、ウイグル族に対する強制労働に関わったことが確認された取引先に対して、取引の停止する方針を固めたようだ。
ウイグル弾圧企業は取引停止へ 日本企業12社、対応迫られ | 共同通信
電子機器や服飾を含む日本の主要小売り・製造業12社が、中国新疆ウイグル自治区などでの少数民族ウイグル族に対する強制労働への関与が取引先の中国企業で確認された場合、取引を停止する方針を固めたことが21日、共同通信の取材で分かった。米英両国がウイグル族の強制労働を理由に自治区に関連した綿製品などの輸入規制に相次いで踏み切っており、日本企業も対応を迫られていた。
課題もあるが効果は大きい
主要小売り・製造業12社ということで、それなりの規模で対応が行われることが期待できそうだ。ただし課題は、何をもってして「関与」と認定するかだ。
ウイグル族への強制労働には世界中の多くの企業が直接的ではなく"間接的"に関わっていることが指摘されている。
ウイグル人の強制労働に、多くの世界的企業が間接加担か | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
ナイキ、アディダス、アップル、サムスンを含む多国籍企業83社が、ウイグル人が強制労働させられている中国各地の工場と関係があることが、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)による新しい研究で明らかになった。研究報告書によると、中国西部の新疆ウイグル自治区において迫害を受けている少数民族ウイグル人は、国内のほかの地域にある工場に移送され働かされている。その境遇は「強制労働を強く思わせるもの」だという。
こういった間接関与をどのように証明していくかが課題となることが予想され、客観的に見て関与が認められたとしても一方的な取引停止を行った場合に相手企業がどのようなアクションを起こすかわからない。
とはいえ、予め条件を提示し契約を切り替えていけば十分に機能する見込みもある。また、こういったことが企業の信用に関わることになるという意識の変化も期待できそうだ。
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