検証「大韓航空が日本上空で何か散布してる」動画が拡散→航空機の正体は?
大韓航空が日本上空で何かを散布しているとされる動画がツイッターで拡散されている。
動画を確認すると実際に上空で大量の液体らしきものが噴射されているようだ。緊急時の燃料投棄というコメントも見られたが、このタイプの航空機なら主翼端部などに分散させて霧状に噴霧させ、上空で完全に気化させるので違う。
大韓航空が日本上空で何か散布してるって件について水蒸気とか言い張る人がいるけど……これ本当にただの水蒸気かな? pic.twitter.com/fJqDvu9NIr
— 天照ちゃん???????? (@AMATlls) March 20, 2021
実はコレ、検証するほどのこともない。航空機の正体などもすでに判明している。
正体はアメリカの山火事消火機
まず、こういった噂が本当にあったのかも疑わしい。ツイッターで「大韓航空」を検索しても最近の投稿で該当するものがヒットしない。
で、動画に写る航空機ですが大韓航空ではありません。よく見ると星条旗が見える。動画の出元は2011年にYouTubeに投稿された動画で、コメント欄で以下のような解説がなされている。
アメリカ・アリゾナ州に本拠地を置く航空貨物会社のエバーグリーン国際航空がB747をベースに開発した747スーパータンカーと呼ばれるもので、世界最大の山林火災消火作業用機です。動画はデモ飛行のものと見受けられます。
この投稿者も拾い動画をアップしているものと思われ、アメリカの山火事対策として2006年から2009年にかけて改善とテストが繰り返されて際の動画だろう。エバーグリーン国際航空は昔から山火事消火を得意としているようだ。実際に運用される機体は赤色のペイントが施されているが、動画の機体は同社のの通常のペイントであることからテスト中と思われる。
動画の中でスーパータンカーが放出しているのは消火用の水であるが、赤色の消火剤も散布できるそうだ。大韓航空が正体不明の液体を散布しているなどということではない。
少なくとも動画の機体が韓国のものではないことがわかりそうなものだが、こういうデマや陰謀説を本気で信じている人が多いのは嘆かわしい。
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