高市早苗をヤジったフリー記者の愚行、選挙現場でも警戒される迷惑な取材手法【マガジン126号】
自民党の高市早苗前総務相は8日、国会内で会見し総裁選への出馬を表明した。前半は高市氏が政策を説明し後半で記者と質疑応答する流れとなったが、司会が会見の終了を告知すると同時にフリーランスの横田一記者と他1名が「安倍さんの疑惑に触れないのは忖度しているせいですか」などと大声で繰り返し怒鳴り始める場面があった。
ネット上ではこの行為について「出入り禁止にできないのか」「記者ではなく活動家」と批判の声が上がっている。会見直後には記者の特定を求める声があったが、現場取材をするメディア関係者でこの人物を知らぬ者はいない。小池都知事が2017年に「希望の党」を立ち上げた際の会見で「排除します」のコメントを引き出したことで有名だが、それ以降は会見や取材現場で故意にトラブルを起こしているとしか思えない振る舞いが多く、筆者は2度ほど同じ現場で取材したが、ちょっと常識では考えられない取材手法に唖然としました。
フリーを会見から排除すべきか?
ちなみに横田記者に「おまえ、もうやめろよ」と一喝したのはフリーのフォトジャーナリスト堀田喬氏である。取材経験豊富な大ベテランで政界でこの方を知らない人はいないだろう。会見では歯に衣着せぬ質問をすることで有名であるが、初めて現場で会った筆者にも選挙にまつわる政治状況などをお話してくれる優しい先輩でもある。
ようするに問題を起こした横田記者もフリーであるが、それを一喝したのもフリーの記者ということ。フリーには横田記者のような突飛な人物もいるが、優先的に会見に参加して場所によっては仕切りもできる大手新聞社の記者たちが、野党が追及の構えを緩めない森友問題への対応について言及していないことも"異常"と言えるだろう。事実として横田記者からの問いかけに高市氏は誠実に答えており、大手新聞社が忖度して避けていたなら情けない限り。
横田記者への批判の中で「フリーは会見に入れるな」という声もあるようだが、忖度しないで突っ込んだ質問をしているのはほとんどがフリーの記者かネットを媒体とするメディアだ。フリーは動くことに会社の許可はいらないし、筆者のように馬鹿なふりをしてふらふらと与野党問わず現場に入ることもできる。フリーにはフリーの役割がある。
目に余る迷惑な突撃取材
フリーは忖度無しの取材が可能な利点もあるが、少なくとも筆者は横田記者のような取材手法は容認できない。取材対象に媚びる必要はないが、故意に驚かせたり怒らせたりする演出で得をするのは横田記者だけで、他の取材者はただ迷惑なだけだ。
筆者が同じ現場で取材中に目撃した横田記者の振る舞いも唖然とするものだった。