検証!桜を見る会招待者名簿の管理簿不記載は民主党政権から?共産・宮本議員「中止され未完成」→招待状は既に発送

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検証!桜を見る会招待者名簿の管理簿不記載は民主党政権から?共産・宮本議員「中止され未完成」→招待状は既に発送

 桜を見る会の招待者名簿が行政文書の管理簿に記載されていなかった問題で、菅官房長官は14日の会見で未記載は民主党政権下の平成23年から始まり「漫然と翌年以降も引き継がれてきた」と説明をした。この長官の発言に対し日本共産党の宮本徹衆院議員は「2011年、2012年は震災等で桜を見る会は中止で招待者名簿は完成してません。あまりに無理がある言い訳です。」とツイッターで批判している。

 この宮本氏の指摘は15日の官房長官会見でも記者から「比較するのは間違いではないか?」と指摘を受けている。中止は事実であるが名簿が存在しないという解釈は正しいのだろうか?

招待者名簿は存在しなかったのか?

 宮本氏は、民主党政権の2011年と2012年は中止となっており、そもそも招待者名簿が完成していないと長官の発言を批判しているが、本当に名簿は存在しなかったのだろうか?

 2011年の桜を見る会は東日本大震災の影響で3月13日に中止が決定している。開催予定は4月16日で、この時点で招待者は決定されていたものと思われるが招待状が発送されたという情報はない。問題の招待者名簿については、招待状の発送時期とほぼ同時期であることから、存在そのものが無かったというのは疑わしい。

 2012年の桜を見る会は、北朝鮮によるミサイル発射予告により3月23日に中止を決定している。催予定は4月14日と一か月後に迫っており招待状が発送されていてもおかしくない時期だ。しかし、招待状を公開しているブログなど検索してみたが見当たらない。安倍総理から招待状がステータスとしてブログなどに公開されている一方で、民主党政権での招待状はほとんど公開されない。
 それらしき情報が記載されているのは以下のブログだけで、当時の招待状ついて触れられている。

 2月28日に内閣府が発表した開催要領によると、「桜を見る会」は野田佳彦首相の主催で行われる予定で、皇族や外国大使、国会議員、官僚等を含め1万人以上が招待されていた。招待状には、天候不良の場合にのみ中止されるとある。だが、招待状は北朝鮮が衛星打ち上げを発表する前に出されたものだ。
出典:野田佳彦の笑韓劇場「政府主催お花見中止しました」編: Wach auf !

 招待状が発送されている旨が書かれている。個人ブログの記述であるが常識的に考えて招待状は一か月以上前に発送されるはずで、ある程度の信ぴょう性がある。招待状がすでに発送されるていたとすると、当然ながら招待者名簿も存在していたはずだ。この時点で野党議員らが批判する「中止により招待者名簿は未完成」という不記載理由は極めて疑わしいということになる。

不記載を引き継いだのは民主党政権から

 これまでの情報をまとめると、2011年の大震災で霞が関も大混乱していたことから、法令違反だからと言ってこの年の不記載を責めるのは酷な気がする。問題は翌年の2012年で、この年の中止は開催の前準備はほぼ完了しており、招待者が参加の日程を調整する必要性などを考えると招待状が発送された後の中止ではなかったのか。また、招待状の発送有無にかかわらず、この時期に招待者が確定しリスト化され招待者名簿が存在していたと考えるのが妥当だ。

 2年連続となる2012年の中止で管理簿への記載が曖昧となったようだが、この年は十分な準備期間を経ての中止発表であり関連する資料は揃っていたはずだ。だが、結果的に不記載となっていたのを2013年からも漫然と踏襲してしまったことは明らかだ。
 厳しい目で見れば、実際に開催されている2013年のリストが中止になっていた前年の管理実績を引き継いだところに問題があるように見えるが、この2013年が第二次安倍政権の1回目であるからと言って政権批判の材料になるなら、それを責めている旧民主党政権の議員たちにも責任があるだろう。

 政権は変わっても官僚が入れ替わるわけではなく、省庁の問題をことさらに政権批判に結び付けるのも無理があるだろう。こんなことで倒閣などを訴えていたら、官僚のサボタージュやクーデターにより簡単に政権転覆が出来てしまうことになる。

 野党が行政を質すのは良いことだが、それを倒閣に利用するのは間違っている。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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