マスコミが報じない真実!「お菓子の過剰包装を無くして」署名を集めた高校生、ブルボンに声明で論破されていた

マスコミ・報道

 ある高校生が菓子メーカーに対して「プラスチックの過剰包装を無くしてください!」と署名を始め、集まった1万8737人分の署名を亀田製菓とブルボンに提出した。この件は東京新聞でも報じられたが、両社が高校生の活動に同意したという好意的な部分だけが報じられている。

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 署名を提出した亀田製菓では、担当者と1時間に渡って意見交換。担当者は、2030年までに全商品の包装をスリム化し、トレーをなくすなど環境に配慮する目標があることを説明。担当者は包装を小さくすることで、中身が減っていると消費者に誤解を与えてしまうことを心配していることなどを伝えた上で、「開発にリスクはあるが、署名には勇気づけられた」と話した。
 ブルボンの担当者は「プラスチックごみの削減は、全くその通りであり当社と方向性が一致するものと考えています。活動を継続していきたい」とコメントした。

 しかし、ブルボンが公開したニュースリリースを確認すると、高校生が主張した「過剰包装を無くして」「プラスチックに代わる材料」といった問題は既に同社が取り組んで実行に移していたことが説明されている。

完膚なきまでに論破されている

 ブルボンが公開した取り組み内容を読んでみると、過剰包装やプラごみ問題でブルボンを名指したのは高校生の早とちりだったことがよくわかり、完全に論破された形となっている。

プラスチック包装削減のご意見と署名の受領について [PDFデータ]
1. 包装につきましては食品の保護や安全性の確保、トレーにつきましてはお菓子の特性に応じて商品の状態を保持するため、個包装につきましては少子高齢化社会や個食の時代的ニーズに合わせて外装を開封後の商品保存を可能とするためや、楽しくシェアしてご利用いただくときにも安心なアレルギー表示をお伝えするなどの目的で使用しています。

2. 当社での包装資材の調達におきましては、SDGs(持続可能な開発目標)との関連を意識して、よりサスティナブルな調達活動となるよう、種々の評価項目のもと活動を展開しています。特にプラスチック包装に関しては、商品の流通に必要な品質を確保しながらもコンパクトな包装となるようにサイズや材質を随時見直し、過剰包装とならないようできるだけ工夫をしています。加えて、植物由来のプラスチックであるバイオマスプラスチックの活用や紙などへの代替素材に変更する取り組みも積極的に進めています。

3. バイオマスプラスチックの採用は、2009 年(平成 21 年)に開始し、以降も継続して採用商品を増やしています。すでに、「アルフォート」「レザンヌ」のトレーなどでバイオマスプラスチックの採用を行っています。また、「ブランチュール」のプラスチックトレーでは、かねてよりバイオマスプラスチック 10%使用のものを、25%使用したバイオマスマーク 25 を刻印したものに変更する計画をすでに進めており、「プチポテト」シリーズの外包装とともに 2020 年(令和 2 年)夏の生産より実施していきます。

4. プラスチック製のものを紙などに代替する活動につきましては、「アルフォートミニチョコレート」や「ブランチュールミニチョコレート」での紙トレー化をすでに行っているほか、「もちもちショコラ」シリーズに梱包していたプラスチック製のフォークを、紙製のピックへ2019 年(平成 31 年)2 月より変更しています。

5. 包装の最小化として、使用するフィルムやトレーの厚みを薄くしプラスチック使用量を削減する取り組みでは、2019 年(令和元年)11 月にファミリーサイズ商品群の外装フィルムを約 8%薄くし年間で約 27 トンのプラスチック削減を行ったほか、「ブランチュール」のプラスチックトレーにおきましても、何回もの薄肉化活動を行い現在では発売当初の厚みから 35%以上の厚みを削減するとともに、上述の植物由来プラスチック 25%配合を使用した改善を図っています。

6. 関連して、長年培ってきた菓子製造技術の応用や発展により、ストローとしても使用できるトッピングクッキー「コロネクッキー」を開発し、2020 年(令和 2 年)1 月より販売を開始しました。この商品を通じてプラスチック削減への新たな提案を行っています。

7. 加えて、包装材料の印刷時の作業環境改善や大気中への揮発性有機化合物の排出削減など複合的な環境保全を目指して、水性インキによる印刷を 1999 年(平成 11 年)より採用し、2015 年(平成 27 年)には一般社団法人健康ビジネス協議会の「水性印刷商品認証制度」による認証マークを商品パッケージに印刷しています。現在では、水性インキ使用商品の比率は商品全体の約 45%に拡大しています。

以上のように、継続した活動を通じて社会の一員としての役割と責務を果たしながら、持続可能な未来社会へのアプローチに取り組んでいます。
当社は 1923 年(大正 12 年)の関東大震災により地方への菓子供給がストップした窮状を見て、地方での量産工場による菓子作りを決意し、翌 1924 年(大正 13 年)に新潟県柏崎で創業しました。災害をきっかけとして事業を興した志をずっと継承しており、災害時等の状況下でもお役に立てる企業を目指し、安全・安心な商品づくりはじめとして種々の活動に取り組んでおります。これからも、食品製造企業として「品質保証第一主義」に徹するとともに、“心と体の健康づくり”をテーマに、ずっと続く笑顔を目指して活動してまいります。
以 上

 明らかに高校生の"誤解"があったことは当初から指摘されており、ただ大手だというだけで特定の企業を名指しするかたちで署名を集めながら、その企業の取り組みについては確認をしていなかったようだ。

 一方で、亀田製菓もブルボンも高校生に対しては大人の対応をしているところが好感が持てる。大手マスコミは高校生への中傷ばかりに焦点を当て、メーカーの主張は完全に無視して「ネットが悪い」という安易な結論に着地している。

 間違っていることは間違っていると教えてあげるのが大人の務めではないだろうか?

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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