高校生が始めた署名「お菓子の過剰包装を無くしてください!」→「個包装じゃないと全部食べ切れない」と異論続出、グリコ・森永事件の影響は?

政治・社会

高校生が集めた署名

 高校生が菓子メーカーに対して「過剰包装を無くして」という趣旨で署名を集め、7月28日に亀田製菓に、29日にブルボンに署名を提出するというニュースが話題となっている。

 この署名は6月4日にも東京新聞に取り上げられマスコミは概ね好意的であったが、SNS上では「食べきれないときの保存は?」「グリコ・森永事件を知らない世代」「個包装が必要という意見も取り上げるべき」と、引用コメントのほとんどが批判的なものであった。

グリコ森永事件で包装を強化?

 この署名に反対する意見の中で「グリコ森永事件」を例に挙げるアカウントが多い。グリコ・森永事件は1984年から1985年にかけて企業が脅迫され社長が誘拐されるなど時代を象徴する事件でもある。また犯人は「かい人21面相」を名乗り脅迫を続け、店頭の菓子に毒物を混入させると脅迫をしたため子供たちの間でも大変な話題となった。

 この事件を受けて菓子メーカーが紙パッケージをシュリンク(透明フィルム)で覆う策を講じたことは40代以降の人間なら記憶しているはずだ。ただし、パッケージ全体のシュリンクではなく中のお菓子を個包装することに関しては、この事件とは関係のない時期に別の理由で始まったと考察する記事がある。

 確かに記憶を辿ってみてもグリコ・森永事件のときに「個包装」が始まったという事実は無いような気がする。確かに事件当時は開封されたり針で毒物を混入されることを防ぐ目的であって、中身の個包装は関係ない。

食べきれない、衛生面の配慮

 グリコ・森永事件の他に反対意見が多かったのが「食べきれない」や「保存状態と衛生面」を危惧するものだ。個包装により、好きな分量だけ食べて保存することができ、食品ロスなど全般を考えると結果的に環境に優しいという意見は的を射ている。衛生面を考えても油を使うお菓子は開封後の劣化が早く、チョコ菓子などはノシメマダラメイガという虫の幼虫が混入する恐れがあります。この虫の混入に関してはアルミやプラスチック系の包装すらも突破してくる厄介者で、開封後などは容易に混入する。食べてしまっても害はないのだが、食べて平気だと思う人は少ないだろう。

 また、世帯人数が下降する現代において、同居家族だけで早期に消費することも困難となる。その一方で、友達や同僚などとシェアする際の衛生状態を考えると、裸の状態でのシェアは時代にそぐわない。

プラスチックだけが環境問題ではない

 最近ではなにかとプラスチック包装が悪者にされているが、食品ロスを防ぐための個包装はほとんど計算に入れてもらえない。また、新型コロナウイルスの感染拡大が警戒される中では、プラスチック包装は「洗える」「ふき取り、消毒ができる」という利点もある。

 プラスチック製品から紙などに転換することを声高に叫ぶ人もいるが、紙が何から作られるかは一切語らない。一昔前は「紙の無駄使いをやめて森林を守ろう」が環境問題のメインテーマであったことはもう忘れられている。また「ゴミ問題」と「環境問題」が混同され、ゴミは減量できても環境全体では他の問題が生じていることも多々ある。
 コンビニやスパーで使用される買い物袋に関しても、有料化したところでゴミ捨て用の袋の生産量が上がるだけという指摘もある。また、エコバックは全然エコではなく、耐用年数を考えると買い物袋より多くの原材料を必要とするなど自己満足感は否めない。

 今回の署名に関しても、環境全体への配慮というよりも気持ちの問題が優先されている気がする。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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