誤解が生じる報道?共同通信「立民、学術会議の成果検証へ 組織論ただす自民に対抗」→代表、政調会長が否定

マスコミ・報道

 共同通信が20日に報じた「立民、学術会議の成果検証へ 組織論ただす自民に対抗」について、立憲民主党の泉健太政調会長は「学術的な成果物を政党として評価や検証する予定はない」と報道を否定、枝野幸男代表もこれを引用して「私の写真を組み合わせ、あたかも私の意向であるかのような印象を与えている」と共同通信に不快感を示した。


通信社の役割を超え「噂」を報じる

 泉政調会長の投稿をそのまま受け止めれば、自民党が学術会議の在り方そのものを「検証」する姿勢であることに対して、立憲民主党は比較的単純に意義を「確認」するだけのようだ。共同の記事にもあるように野党合同ヒアリングのような吊し上げではなく、政務調査会が聞き取りをするのみ。

 おそらく、聞き取りで意義を再確認して任命問題で与党をさらに追及するという考えだろう。常識的に考えて立憲民主党が自民党の動きに追随して「日本学術会議の活動実績や成果に焦点を当てた関係者ヒアリング」など行うとは思えない。共同通信の記事が誤解を生んだのはこの「活動実績や成果に焦点」という部分であり、これでは検証して実績を否定する可能性も含むことになる。

 また「果たしてきた役割を検証」ではなく「存在意義をあらためて確認」が正しい表現であろう。毎度のことであるが、取材対象を明かせない「関係者」の証言については報じる側が全責任を負う覚悟が必要になるわけで、代表や政調会長への裏どりをして真意を確認しなかったのは致命的なミスだ。

 客観的事実を伝える通信社が、その役割を超えて不確実な情報に飛びついて稚拙な憶測や論評を加えることは共同通信だけではなく時事通信にも見られ、誤報が増加している要因はこれだろう。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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