中国「千人計画」に日本人研究者44人を確認、日本学術会議の元会員らも中国軍に近い「国防7校」へ

政治・社会

 中国が海外の優秀な研究者を招き入れる「千人計画」に日本人研究者が少なくとも44人関与していることが読売新聞の調査でわかった。安全保障にかかわる最新技術や重要な情報が中国の「軍民融合」戦略に利用される危険性があることがこれまでにも指摘され、日本学術会議は組織的には関与していなかったが個人レベルでは元会員らが関与しており、日本の軍事研究を批判する姿勢に矛盾する行動だ。

【独自】中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認 : 読売新聞オンライン
 海外から優秀な研究者を集める中国の人材招致プロジェクト「千人計画」に、少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが、読売新聞の取材でわかった。日本政府から多額の研究費助成を受け取った後、中国軍に近い大学で教えていたケースもあった。政府は、経済や安全保障の重要技術が流出するのを防ぐため、政府資金を受けた研究者の海外関連活動について原則として開示を義務づける方針を固めた。
(中略)
 今回確認された44人の中には、中国軍に近い「国防7校」に所属していた研究者が8人いた。うち5人は、日本学術会議の元会員や元連携会員だ。

開示義務付けるだけでは防げない

 昨年の日本学術会議の任命見送り問題で、中国「千人計画」との関係が指摘された際には完全に関与を否定していたわけだが、こうやって元会員らが他国の軍事研究に参加することには何ら言及してこなかったわけだ。

 軍事転用が可能という事で研究を制限することにはまったく賛成できないが、日本政府の科研費を受けながら日本に照準を定めることも考えられる中国に協力するのは危険だ。ましてや中国の「軍民融合」戦略に関与するのは自国に弓を引く行為だ。

 とは言え日本政府としても研究者が海外に拠点を移すことを規制することは難しく、政府資金を受けた研究者の海外関連活動について開示を義務づけたところで技術流出は防ぐことができないだろう。開示したうえで開き直られたら終わりなわけで、慎重な議論と丁寧な法整備が必要だ。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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