立憲・本多平直議員の党員資格停止1年、公認見送りは妥当か?妻の西村智奈美議員は処分再考の嘆願書提出するも本質は別のところに

政治・社会



 立憲民主党の福山哲郎幹事長は13日の会見で、本多平直衆院議員(北海道4区)が「50歳の自分が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」と党のワーキングチーム(WT)で発言した問題を検証するハラスメント防止対策委員会がまとめた調査報告書を受け、枝野幸男代表の方針として党員資格停止1年とする処分を党倫理委員会に諮ることを発表した。
 党員資格停止となれば、次期衆院選での公認は見送られることが濃厚で、前回は比例復活だった本多議員にとっては政治生命を断たれたと言っても過言ではない。
参考:立民、本多平直氏の公認見送りへ 後任に亀石倫子氏ら浮上 – SankeiBiz(サンケイビズ)

 この動きに対して本多議員の妻である同党の西村智奈美衆院議員(新潟1区)は津村啓介衆院議員(岡山2区)との連名で、処分の再考を求める嘆願書を幹部に配布している。
参考:立民・本多平直議員の党員資格停止見通しに妻・西村智奈美議員が嘆願書 – SankeiBiz(サンケイビズ)

問題は本多議員の「高圧的言動」か

 妻である西村議員が嘆願書を提出するのは、それこそ「身内に甘い」という印象を与えるもので逆効果ではないだろうか。津村議員に関しては自民党の杉田水脈議員の発言が問題視された際にも、非公開の会合での発言を問題にすることに反対していたので一貫性はある。

 嘆願書では処分が重すぎることや非公開での発言を外部に漏らされたことを問題視しているようだが、福山幹事長の会見での説明を聞く限りでは少し誤解が生じている。福山幹事長の説明によると、本多議員が限界事例として「50歳の自分が14歳と同意性交」と発言したことよりも、その言葉が外部講師として参加していた女性に高圧的に発せられたことが問題視されているようだ。
訂正:委員→講師

 党の第三者機関である「ハラスメント防止対策委員会」に調査検証を委ねていることから、限界事例としての発言と本人認識よりも、本多議員から高圧的発言が繰り返されていたことが焦点なのだろう。本多議員が興奮して言動が荒くなることは、国会での野次や質問作法を見ればわかる。

 内外から寄せられた批判や証言では「このWT自体がマウントを取りたがる男たちの構図」(女性議員の証言)とまで言われている。本多議員が高圧的に女性の意見や発言を頭ごなしに否定することが常態化し、WTの運営にも問題があったとされている。本多議員が興奮しすぎて当時のことをよく覚えていないことから、罵倒されるように「50歳の自分が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」と言われた女性が、議論にならないほどの恐怖を覚えたのは察するに余りある。

 本多議員の問題について「非公開の発言を処分対象にするべきでない」「リークしたほうに問題あり」などと言う意見も散見されるが、それでは非公開の場で一方的に罵倒されるなどのハラスメントが起きたら被害者は泣き寝入りだ。罵倒された女性講師は翌日に寺田学座長から謝罪のメールを受け取り、本多議員も発言の撤回を申し出ているが、非公開の会合で女性を激しく怒鳴りつけるような国会議員の行動が、簡単に撤回されて中間報告書からも削除されていることを知った関係者が辞退を重く見てマスコミにリークしたのならば、それは善意の通報であり犯人捜しの対象になるようなことではない。

 本多議員の発言は、たまたま議論が白熱した結果ではない。普段から高圧的に相手の意見を封じるという、国会議員にあるまじき振る舞いの責任を取る時が来たのだ。本来ならば除籍処分が妥当と思われるが、これまで本多議員の振る舞いを放置した執行部の責任もあり、国会ではそういう部分を利用して政府を追及させていた。そういった意味では1年間の党員資格停止は妥当な処分であり、公認見送りは処分ではなく本人が招いた結果であることから処分に勘定してはならない。

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