名誉棄損ポスター?「不倫騒動を許すな!」NHK党候補が立憲・石垣のりこ候補に刑事告訴される!【KSLチャンネル】
NHK党公認で参議院宮城県選挙区に立候補している前田太一候補が、同選挙区に立候補している立憲民主党公認の石垣のりこ候補の名誉を棄損するポスターを掲出したとして、宮城県警に刑事告訴されました。
参考:「参院選ポスター巡り名誉毀損」 立憲・石垣のり子氏がN党候補を告訴 | 毎日新聞
前田候補の公営掲示板ポスターには、石垣のりこ候補の名前と知人男性の名前を挙げ「不倫騒動を許すな!」と書かれています。今年の5月2日から改正公職選挙法により選挙ポスターの品位保持が明文化され、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくもポスター掲示場に掲示されるポスターとしての品位を損なう内容を記載してはならないと定められました。
参考:総務省|公職選挙法の一部改正について
営業宣伝以外の名誉棄損はこの改正法で罰則規定もなく判断も難しいことから、抑止する効果がほとんどなかったということでしょう。改正公職選挙法以前に名誉棄損罪が存在することから、こういう扱いになっているものと思われますが、やはり石垣氏は名誉棄損で告訴しているようです。
石垣氏の「不倫」は事実無根か?
ネット上では石垣氏の不倫は事実であると断定する投稿も散見されますが、少なくとも石垣候補が元夫から起こされた裁判は和解が成立しており、「内縁関係や不倫の事実を前提とした和解ではない」と2021年7月に石垣氏が報告しています。
週刊誌報道もあった裁判案件につき報告します。
7年前に離婚した元夫が「離婚後も内縁関係にあった。不倫をされた」と私を訴えた件ですが、先日、和解で終結しました。なお内縁関係や不倫の事実を前提とした和解ではない事を申し添えます。私人時代の話であり報告義務はないものの、念の為ご報告まで。— 石垣のりこ 【参議院議員/宮城県】 (@norinotes) July 31, 2021
裁判を起こされたという週刊誌報道だけが独り歩きしていますが、名前を挙げられた知人男性は公人でもなく、少なくとも石垣氏には不倫の事実はなかったと受け止めるしかないでしょう。立憲民主党宮城県連の抗議声明でも「事実無根の内容」とされています。
名誉棄損は成立するのか?
一方で、前田候補のポスターの内容が名誉棄損にあたるかどうかは、ちょっと微妙なラインではないかと思います。文面としては「不倫をしている」ではなく「不倫騒動を許すな!」となっていて、読みようによっては騒動として報じた週刊誌に向けているとも解釈できます。不倫の事実はなかったとしても、報道があって騒動が起きた事実があり、単にそれを批判した論評の範疇という説明もできそうです。
ただ問題なのが、前田候補が罪の意識がることを認めているようで、有罪となっても執行猶予が付くという認識を選挙ウォッチャーちだいさんの問いに対して示し動画に収められています。過去の発言等からしても、石垣氏が不倫をしていたという誤った認識のもとにポスターを掲出したと思われます。
あくまで警察はポスターの内容が名誉棄損に当たるかどうかを判断すると思いますが、公職になろうとするものとして倫理面で批判を浴びることは避けられません。あとは党首の立花孝志さんが、このポスターの掲示を決めて指示したととれるXの投稿も残っていて、悪質性や故意性が高いと判断される要素にもなりそうです。
公営掲示板での名誉棄損は2年前にも有罪判決を受けている人物がいて、掲出することの影響はそれなりに認められるのではないでしょうか?
いずれにしても、こういう行為は政治信条や好き嫌いの問題ではなく、お行儀の悪い事なので個人としては嫌悪感しかありません。前田候補の謎のテンションと間の悪さもあって、カリスマ的人気を得て擁護者を集めることも難しいのではないかと思います。
石垣氏に関してはいろいろと思うところはありますが、選挙を利用してこういうことをやるのは感心できません。