兵庫県、貯水槽の排水弁閉め忘れた職員に水道代300万円の賠償請求→業務ミスで職員が賠償すべきか?

 兵庫県庁の職員が貯水槽の排水弁を閉め忘れたため、水道代が約600万円かかったとして県が職員に半額の300万円を賠償させたことが話題となっている。

多額水道代で担当職員が300万円支払い 兵庫県知事「おわびする」 – 産経ニュース
 県によると、閉め忘れがあったのは、神戸市中央区の本庁舎西館の貯水槽(貯水量約15トン)。令和元年10月初め、委託業者の年1回の点検後に閉め忘れがあり、約1カ月にわたりそのことに気づかなかった。

 点検に立ち会った50代の男性職員が「あと(のチェック)は私が行う」と業者を帰しながら、排水弁を閉め忘れていたといい、県は職員の責任は重いと判断。昨年11月に訓告処分にするとともに、裁判例などをもとに県が半額について職員個人に賠償を請求し、同年内に約300万円を支払った。

 男性職員の年収にもよるが、これはかなり厳しい対応。

兵庫県が参考にした判例とは?

 業務中に発生した損害について従業員に損害賠償請求することは可能だが、業務の命令系統を辿れば最終的に最高責任者の井戸知事に行き着くことを考えると職員個人への賠償請求としては過大な気がする。故意に損害を生じさせたわけでもなく、弁の締め忘れは容易に想定されるミスであることからチェック・管理体制の甘さも要因の一つではないのか?
 井戸知事も会見で「点検頻度が低い」「常時監視できない場所にあった」と説明し今後は改善するだろうとのことだが、要改善の業務で職員個人が賠償請求されるのは可哀そうだ。

 兵庫県が参考にした判例は賠償の割合からして「ガリバーインターナショナル事件」だろうか。この判例は、取引先からの振り込みを確認する決まりに反して、入金前に車両15台を納品して騙された店長に損害額の半分の賠償を命じた判決だ。

(65)労働者の損害賠償責任とその制限|雇用関係紛争判例集|労働政策研究・研修機構(JILPT)
中古車販売会社の店長が取引先にだまされて生じた損害につき、店長の重過失を認めつつ、諸般の事情を考慮して賠償額を2分の1(2,578万円余り)としたガリバーインターナショナル事件(東京地判平15.12.12 労判870-42)

 兵庫県のケースでは点検業者の作業を確認する立場で立ち合いを命じられた職員が、点検業者を返してしまったことで二重確認の意味を失わせたことが重過失と判断されたものと推測できる。それでも裁判を経た場合に2分の1負担の判例が採用されるかは定かではなく、300万円という高額賠償は他の職員を無駄に委縮させたのではないか。

 ちなみに兵庫県では井戸知事の公用車を2019年にレクサスからセンチュリーに変更している。車両代金としては700万円の増額となるが、これこそ井戸知事が負担すればいいのに。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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