【徹底解説】麻生太郎「参院選は○○をよろしく」は公選法に違反するか?迷惑記者の遅刻癖が招いた誤解拡がる【KSLチャンネル】
迷惑ジャーナリストの横田一さんが、自民党の麻生太郎最高顧問が公選法で禁止された事前運動を行った疑惑があると騒いでいます。
内容としては西村康稔元経産大臣の国政報告会で、麻生さんが「参院選は○○をよろしく」と特定の予定候補の名前を挙げて公選法で禁止された事前運動を行ったというものです。
この麻生発言を紹介、解説したネット番組です。
N国・麻生・玉木 蠢く奴ら【横田一× 西谷文和 とざいトーザイ】20250407https://t.co/n2S8QrTSlg https://t.co/4zlv7vDo0g
— 横田一 (@yokotahajime) April 29, 2025
結論から言うと、これで起訴され有罪となる確率は限りなくゼロに近いと思われます。
遅刻して非公開会合を無断撮影
横田さんは取材経験が長いのは事実ですが、毎度のように現場に遅れてきておいて不躾な質問をしたり周囲の迷惑も考えず政治家を追いかけているだけなので、選挙に関わる実務については何も知らないようです。
厳密にいえば投票依頼をした事前運動と言えなくもないですが、実際に当局や司法が判断する場合は相手が不特定多数であったか、認められた言論による政治活動の範囲を著しく逸脱していたかなど様々な要素が考慮されます。
ここでポイントとなるのが、この会合が党員資格停止が満了し自民党に復帰した西村元大臣の支援者を集めた非公開の国政報告会であることです。横田さんはここでも遅刻してきたのでマスコミの退場後に入場し止められなかったからと、無断で撮影し公開しているということです。
いわば内部の人間向けに、参院選で誰を支援するかを告知したに過ぎないわけです。それを勝手に撮影して公開し、事前運動と騒ぐのは極めて筋の悪いことです。
公職選挙法では事前に投票依頼することは禁止されていますが、政党に公認を求めたり情勢調査を行ったりする「立候補準備行為」と、選挙のために事務所を借りたり文書を作成したり資金を調達する「選挙運動の準備行為」、また後援会活動や選挙運動にわたらない範囲での「政治活動」はそれぞれ認められています。
厳密に麻生さんの発言を照らし合わせると、これらの認められた準備行為等には当てはまらないわけですが、当然のように団体内で誰を推薦・公認するかなど決めそれを組織内で周知する行為は必要で、それらが一括して禁止されているという解釈をしてしまうと、出馬会見や意思表明はすべて違法ということになります。
過去に「参院選は○○をよろしく」という文言で警告を受けた事例はあるようですが、これらは内部集会ではなく不特定多数が往来する街頭での演説現場であったり、関係者や予定候補者本人が各所に言い歩いたことが警告の対象となっているようです。
最近の事例では、東京都知事選に出馬を決めた蓮舫さんが街頭で不特定多数に向けて出馬を表明し、立憲民主党の枝野幸男元代表が「蓮舫を勝たせよう」などと演説して告発されました。
これらは不起訴となりましたが、不特定多数を対象に特定選挙で有利なる行為を行ったと解する識者が多く、不起訴とはいえ違法性は否定できません。
不特定多数ではない屋内や支援組織内部であっても露骨な投票依頼は違法と考えられますが、麻生さんの場合は非公開の支援組織内部に支援する予定候補者の名前を告げたにすぎません。
これらを横田さんが言う「事前運動」としてすべて禁止するなら、立候補に向けた準備も選挙戦に向けた準備も公示日までできないことになります。候補者は公示日に立候補届を出すことでサプライズ発表され、それから支援組織を構成して準備が始まるなどありえないでしょう。
最後にポイントをまとめます。
①「よろしく」が投票依頼かどうかは賛否が分かれる
②発言は非公開の支援者集会での発言であった
③横田さんは遅刻したことでマスコミ退場を知らず撮影したが、それを公開したことは主催者の意図しないものだった
④不特定多数に向けておらず支援者に立候補予定の事実を告知したに過ぎない
⑤不起訴となった蓮舫、枝野氏のケースに比べ違法性の要素が低い
まあ、こんなところでしょうか。
それにしても横田さんは毎度のように遅刻をしておいて、悪びれることもないどころか騒ぎまで起こすのはどうかと思いますよ。
今回も遅刻しなければマスコミの頭撮りの後に退場してるわけで、麻生さんが不特定多数に向けていない発言を、勝手に撮影して公にした横田さんの行為こそ問題があるんじゃないでしょうか。