明暗分かれた?参政党・梅村みずほvs.社民党・ラサール石井の記者会見 赤裸々に語る梅村、れいわ新選組の政策語るラサール【KSLチャンネル】

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 参政党の梅村みずほさんと社民党のラサール石井さんが30日、それぞれ代表党首同席のもと出馬会見を行いました。

 梅村さんが出馬経緯に関して、都合の悪い部分も隠さず赤裸々に語ったことで評価を上げた一方で、ラサールさんは自身に好意的なフリー記者の質問に時間を割き、内容的にもグダグダで完全に明暗が分かれることになりました。

すべて赤裸々に語る梅村みずほ


 梅村さんに関しては自民党や国民民主党への加入が噂され、参政党への加入はサプライズであったことで「どこの党でもいいのか?」という批判もありました。これに対して梅村さんは、自民党の大阪府選挙区の公募に応じて書類選考ではねられていたことを認めました。また、国民民主党に関しては、公募などの選考過程ではなかったが、出馬を模索して関係者と接触したことも認めています。
 回答拒否をせず、都合の悪い質問に対しても隠さず話したことには現場の記者らも驚いていたようですが、一方で「節操がない」という批判も免れないという事実もあります。
 これに対して梅村さんは「大阪府で出馬しなくても梅村の名前を書く」と無効票を投じる意思を示す声もあったようで、そういう人の思いに応えるために複数の党に対して大阪府選挙区での出馬を模索したということです。

 結果的に公認を得ることができず、単独での出馬も困難と判断したのか、通常国会閉幕前の委員会では「最後の質問」として、一旦は国政から身を引くような発言もありました。その数日後に神谷代表から打診があり、全国比例なら大阪府の支援者らも投票できるということで決断したようです。

 政策や考えの違いがあるという指摘もありますが、ここも神谷代表と話し合い許容できるところまで詰めているようで、そもそも元国民民主党の鈴木敦さんがボードメンバーとして活動していることから、考え方の違いよりも、それぞれの得意分野で活躍できる人材を受け入れる体制が参政党にはあるということでしょう。
 ワクチン政策などをめぐって「踏み絵」を迫るような野暮なことをしないのは、これはこれで正解でしょう。

れいわ新選組?中見が薄いラサール石井

 梅村さんの会見に関しては、概ねメディアの評価も高く、ここ最近になって参政党に興味を持った層にも受け入れられているようですが、一方のラサール石井さんに関しては、熱烈な野党支持者は称賛していますが、無党派層には全く響かないどころか、引かれるような内容でした。

 質問する記者も明らかに社民党に好意的なフリー記者に集中していて、トップバッターの田中龍作さんが、一問一答ではなく複数回質問し5分ほど続いていました。三番目に質問したアークタイムズの尾形さんが特にひどく、10分以上に渡りフリートーク形式でラサールさんと話し込むという謎展開でした。更問いでもなく、二人だけで世界に入り込んでいて異様でした。

 一番印象的だったのか、ラサールさんの言葉がほぼ山本太郎の受け売りだったことです。政策関連でも社民党とは違う、れいわ新選組の政策をそのまま語っているようにしか聞こえません。消費税に関しても社民党の政策である食品消費税ゼロではなく、全廃という考えを示しています。政策に不一致があるのは参政党の梅村さんも同様ですが、ラサールさんに関しては、れいわ新選組にも言及しながら、れいわ新選組の政策を推進しているようにしか聞こえませんでした。

 冒頭の出馬理由の説明でも、自分がテレビに出れないのは政権批判をして圧力があったと陰謀論を熱く語っていましたが、テレビなんて政権批判で溢れてるし、むしろ政権批判をすればテレビに出れるというのが現実です。単純にその政権批判の中で争いに負けているだけで、本業のほうでも「面白くない」という判断を下されただけでしょう。売れなくなった芸人が政権批判を始め、それをネタに選挙に出るというのはよくある話です。

 同じ日に行われた出馬会見で、梅村さんとラサールさんで完全に明暗が分かれたと言っていいでしょう。単純に中身があるか無いかの差もあるでしょうが、それ以上に、誠実であるか無いかという部分の差が大きかったと思った次第です。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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