デマ!政治知新「立憲はロクに拉致問題で質問してない」→拉致問題特別委員会は与党側が応じず1年8ヶ月質疑なし、立憲は他の委員会で質問【マガジン76号】

KSLマガジン

 政治音痴なのに「政治知新」を名乗るまとめサイトが拉致問題に関するデマを流している。記事の中で「ロクに拉致問題で質問してこなかった、立憲民主党に拉致問題で政府を批判する資格はない」と断罪しているが、拉致問題を審議する拉致問題特別委員会は与党側が野党の開催要求に応じず2019年5月を最後に1年8ヶ月ものあいだ質疑はされていないので、立憲は他の委員会で質問している。

 先日はGoToトラベルに関する閉会中審査で、所管大臣である赤羽一嘉国土交通大臣を国土交通員会に呼び枝野代表が質問したことを「委員会が違う」と嘲笑する記事をアップして大恥をかいている。(指摘され記事を書き換え)

 立憲民主党の一部に拉致問題に消極的な人間がいるのは事実だが、だからといってデマを流して良いわけではない。しっかりと解説しておく。

立憲民主党も拉致問題の質問

 与党が拉致問題特別委員会を開催しないのに「野党が質問しない」と言うのはおかしな話だ。このことは拉致問題解決のためにも憲法審査会での憲法改正議論を呼び掛ける与党に対して、野党側から「与党は拉致問題特別委員会を拒否し続けているではないか」と応戦され話題となった。

 他の委員会でも拉致問題が取り上げられることがあるが、立憲民主党所属議員からも拉致問題についての質問は行われている。これは国会議事録を見れば簡単に確認できるのだが、政治知新が普段から国会もチェックしていない証左だ。

 立憲民主党としても拉致問題対策本部を結党時から設置しており、新党では長らく拉致問題に取り組み被害者家族からの信頼も厚い松原仁衆院議員が顧問に就任している。残念ながら与党として拉致問題に取り組んでいるのではなく、立憲民主党所属議員を含めた超党派での活動が主で、政府与党の取り組みに関しては実態として見えてこないというのが現実である。

 さらに、政治ニュースを謳うわりにはデタラメなのが「拉致問題を放置し続けた社民党の一部を吸収し、また残った社民党とも統一会派を組み、ロクに拉致問題で質問してこなかった」という部分だ。社民党議員の合流が行われた際には国会は閉会中で、閉会中審査も新型コロナ対策の質疑に特化した委員会のみの開催だった。

 また、民主党政権で担当閣僚が短期間に変わって何も仕事をしなかったという批判は被害者家族からも出ているが、これは内閣改造によるもので自民党政権でも短期間に担当大臣は変わっている。官房長官が兼務するようになってから留任が続いているが、これも多忙な官房長官に拉致対策はできないのではないかという批判もある。事実として官房長官が拉致担当大臣を兼務するようになってから、日程の都合で拉致問題特別委員会が開催されなくなった。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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